いちびる(関西弁)の意味とは?
いちびるの意味
「いちびる」とは、関西の方言で調子に乗ってふざけまわることを意味する言葉です。京都弁としても使われています。
名詞形の「いちびり」も「お調子者」といった意味合いで使われることが多いので、併せて覚えておきましょう。
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いちびるの語源
「いちびる」の語源は「市振る」です。
元々競り市で誰が何をどれくらいの価格で購入するかを取り仕切って決める人のことを「市振り」と呼びました。
その「市振り」が転じて競り市のように賑やかな様子を「市振る」と表すようになり、音が変化して現在の「いちびる」が誕生したと言われています。
いちびるとほたえるはどう違う?
関西には、「いちびる」に似た言葉で「ほたえる」という言葉が存在します。
「ほたえる」とは「ふざける」「戯れる」といった意味を持つ言葉で、「いちびる」とほとんど同じように思えますが実は微妙なニュアンスの違いがあります。
「ほたえる」は嬉しさや楽しさなどから極限までふざけているさまを表しますが、「いちびる」には図に乗っていたりつけあがっているという意味合いが含まれます。
そのため、子どもがふざけて暴れまわっている様子を表す際には「ほたえる」を、第三者から馬鹿にしたような言動をされたりした場合は「いちびる」を使います。
いちびるの使用例
ここからは、「いちびる」の具体的な例文をいくつかご紹介します。
例文1.「いちびるんもええ加減にしときや。」
相手のふざけ具合が度が過ぎている際、このように釘を刺すことがあります。
怒鳴るように言われた場合は別として、諭すように言われた場合はまだ許してもらえる余地があるので早めに態度を改めるようにしましょう。
例文2.「いちびってんちゃうぞ。」
関西人がこのフレーズを口にする時は既に怒っていることが多いです。
「なめるなよ」「つけあがるなよ」といった意味が込められているので注意しましょう。
例文3.「あんまりいちびったことしとったらどやされんで。」
「どやす」とは関西弁で「怒鳴りつける」「叱る」などの意味の言葉です。
「あまりにもふざけていると誰かに怒られるよ」といった意味合いのフレーズなので、「どやす」と併せて覚えておきましょう。
いちびる人の心理
ここでは、いちびる人の隠された心理について解説していきます。
心理1.相手に甘えている
「相手ともっと仲良くなりたい」「もっと自分のことを見てほしい」という相手に甘えたい気持ちからついいちびった言動をとってしまうということがあります。
両親に構ってほしい子どもが面白おかしいことをしてお父さんやお母さん、親戚の人の気を引こうとすることがありますが、それと似たような心理であると言えます。
心理2.自分の本当の気持ちを隠したい
自分の本心を知られたくない時、人は本心を隠すようにあえていちびった言動をとることがあります。
しかし本心を隠したいシチュエーションの時というのは、いちびった態度をとらずに真剣に向き合わなければいけない場合がほとんど。
そのため本音を言いたくないからといちびった態度でいると相手の反感を買ってしまうことがあります。
心理3.その場の主導権を握りたい
その場の雰囲気やペースを自分のものにして主導権を握りたい場合も、あえていちびった態度をとる傾向にあります。
周囲の人よりも少し目立つ言動をすることで多少なりとも主導権が握れるようになります。
周囲にいる人みんなが嫌な思いをせずに楽しんでいるのであれば問題はありませんが、マウンティングをとるような嫌な態度をとられた場合は関係を見直した方が良いかもしれません。
いちびった態度をとられた場合の対処方法は?
友達や家族と談笑している時であればまだしも、ビジネスシーンや真面目な場面でいちびった態度をとるのはどんな人であれNGです。
しかし、どんなにこちらが真剣に話し合いたくてもいちびった言動をやめずに適当に対応してくる人というのは一定数存在します。
相手があくまでもいちびった態度を改めようとしないのであれば、相手とは正反対の真剣な表情と声のトーンで淡々と話をしてみましょう。
相手があえていちびった態度をとっているだけなら、まだ改善してもらえる余地があります。
それでも改善されない場合は、「何がそんなに面白いの?」「あなたは面白いかもしれないけど私は何も面白くない」と毅然とした態度と鋭い言葉で注意しても良いかもしれません。
普段は許していても真剣な場面では許さないという態度をはっきりととり、オンとオフの切り替えをまずは自分が意識して相手に話をしましょう。
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