京都弁のイントネーションと語尾の特徴。標準語との違いとは?
京都弁のイントネーションやアクセントについて、標準語との比較を交えながら解説します。
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京都弁のイントネーションとアクセント
ここでは、京都弁のイントネーションやアクセントにどのような特徴があるのかを見ていきます。
音の変化
京都弁では主に以下の音の変化が見られると言われています。
母音の短縮 (例:笑うた→わろた)
母音の同化 (例:炊いている→炊いたある)
「ん」と「い」の入れ替わり (例:じゃんけん→じゃいけん)
「る」が「ん」へ変化 (例:するな→すんな)
「ゆ」が「い」へ変化 (例:おかゆさん→おかいさん) など
京都の言葉には独自のものも多いですが、これらの音の変化があるからこそ京都らしい独特のイントネーションが生み出されていると言えます。
アクセント
京都は関西に属していることもあり基本的に関西のアクセントで話されますが、実は「遅上がり」という京都特有のアクセントの特徴があります。
遅上がりとは、単語を読む際の音の上がり目が本来よりも遅れてくることを指します。
例えば「今は」は標準語では「↓↑↑」のように発音しますが、京都弁では「↓↓↑」のように発音します。
これを見ると、標準語に比べて京都のほうが音の上がり目が一拍遅れていることが明確です。
このような特徴があることもきちんと頭に入れておきましょう。
名詞の拍
京都弁の中で用いられる名詞を種類訳すると、一拍名詞・二拍名詞・三拍名詞・四拍名詞などに分けることができます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
一拍名詞:二拍分ほど長音化する (例:蚊、木、戸など)
二拍名詞:一拍目を高く発音するもの(例:風、夏など)・二拍目を高く発音するもの(例:海、春など)で分かれる
三拍名詞:一拍目の音が高い・低い、アクセント核(音の下がり目が何拍目の後ろにくるか)が一拍目・二拍目・無いの観点から分類される
四拍名詞:一拍目の音が高い・低い、アクセント核が一拍目・二拍目・三拍目・無いの観点から分類される
このように、京都弁には名詞にも独特な「拍」が存在します。
もちろん文章として読むとなればそこに微妙な音の変化なども加わってくるため、より難しく感じられます。
京都弁の語尾
ここでは、京都弁の代表的な語尾について簡単にご紹介していきます。
~はる
京都弁かどうかを無意識化で判断する際に、「~はる」という語尾がついているかどうかをチェックする人は意外と多いのではないでしょうか。
京都人にとっては敬語表現の一つで目上の人に対してももちろん使いますが、実は身内などに対しても用いることが多いです。
活用形ははる・はった・はって・はります・はらへんで、話の中でこれらを瞬時に使い分けます。
~ひん/~へん
関西では「~しない」と言う時語尾に「~ひん」「~へん」をつけますが、京都では特に「~ひん」が使われる傾向にあります。
例えば次の通りです。
しない→しぃひん
来ない→きぃひん
いない→いーひん
また、「~へん」を使う場合も「してへん」「行けへん」のように使います。
標準語との違い
最後に、標準語との違いについて確認していきます。
アクセント
標準語のアクセントは、主に以下の4つに分けられると言われています。
頭高型:一拍目の音が高く後は低い (例:枕)
中高型:一拍目の音は低くその後高くなっていくが最後の拍までには音が下がる(例:湖)
平板型:一拍目の音は低くその後はずっと高い(例:桜)
尾高型:最後の拍にアクセントがくるが、単語の後ろに助詞などがある場合その助詞から音が下がる(例:犬が)
また、標準語では音便(単語を言いやすくするために音を変化させること)はあまり使われません。
標準語と京都弁のアクセントの違いをそれぞれ確認してみると、京都弁の方がより複雑で特有のアクセントの元成り立っていることが分かります。
ウ音便と促音
一般的に、く・ぐ・ひ・び・みの音が「う」に変わることをウ音便と言いますが、京都弁ではこのウ音便が以下のようによく用いられます。
買った→買うた(こうた)
貰った→貰うた(もろうた)
言った→言うた
それに対して標準語は促音(つまる音/小さい「っ」のこと)を使います。
このような点も、標準語と京都弁の大きな違いとして挙げられます。