かんにん(関西弁)の意味とは?
かんにんの意味
かんにんとは、関西弁の一種で「ごめんなさい」を意味する言葉です。
大阪府・京都府などを中心に使われますが、現在はどちらかと言えば年配者が中心に用いており若者はあまり口にしません。
「かんにん」はこの一覧にも収録中
かんにんの語源
「かんにん」の語源は「堪忍」です。
この「堪忍」について更に調べると、「怒りに耐え相手の過ちを許すこと」という仏教の教えが由来していることが分かりました。
元々この「かんにん」は江戸時代~近代初期にかけて繁栄していた商業地区船場の言葉として使われていましたが、現代においても関西弁として多くの人に認知されていることを思うと感慨深いものがあります。
かんにんの発音
関西人が使う「かんにん」は「に」に一番強いアクセントを置きます。
一般的に「堪忍」という言葉は「か」に強いアクセントがくるため、関西圏以外の人からすると少し不思議な発音のように思えます。
関西弁の「かんにん」は「か↓ん↓に↑ん↓」のように「に」の部分で音が上がることをしっかり覚えておきましょう。
かんにんを標準語で言うと?
「かんにん」を標準語に言い換えるのであれば、「ごめんなさい」「すみません」「失礼しました」などが適切です。
関西人が「かんにんやで」などと言ったらそれは謝罪をしていることになるので、知っておくと便利です。
かんにんを使うシチュエーションは?
「かんにん」はカジュアルな表現なので、どのような場面でも基本的に使うことができます。
とは言え、誠心誠意謝罪しなければいけない場面や上の立場の人に対して使うのはNG。
あくまでも家族や友人に対して、ちょっとしたことについて謝る際に使われることが多いので注意しましょう。
かんにんのニュアンス
「かんにん、かんにん」と「かんにん」を繰り返して使う場合もありますが、大抵の場合は「~やで」「~な」「~ね」など関西独特の音が語尾につきます。
言い方にも多少左右されますが、実は「かんにん」の前後に何がつくかによってその人がどのような感情で謝罪をしているかが分かります。
その微妙なニュアンスの一部を簡単に見てみましょう。
「かんにん、かんにん」:標準語の「ごめん、ごめん」にあたる言葉
「かんにんしたって」:「許してあげてほしい」という意味で、許す対象は第三者だけでなく自分の場合にも使う
「ほんまかんにんな」:「本当にごめんなさい」のように申し訳なく思っている気持ちを表す
「もうかんにんしてや」:「そろそろ許してほしい」という意味で「機嫌をなおしてほしい」というニュアンスも含まれている。しかし、相手も本気で怒っているということはあまりない
このように、関西人は「かんにん」の前後を微妙に変えることで自身の気持ちを表現しています。
有名なアニメ作品にも登場する「かんにん」
宮崎駿氏が監督・脚本を務めた作品「もののけ姫」の中にも実は「かんにん」は登場しています。
主人公アシタカがタタラ場で働く牛飼いの甲六を助けタタラ場まで一緒に行くという場面がありますが、その後甲六の妻トキが甲六を𠮟りつけているとタタラ場の指導者エボシ御前が「トキも堪忍しておくれ。私がついていたのにザマアなかった」と口にします。
この時エボシ御前が用いている「かんにん」は関西弁と同じように「許してほしい」「ごめんなさい」を表しています。
日本を代表するアニメーションの一つとも言える作品内でこのように「かんにん」が用いられていることを考えると、「かんにん」の持つニュアンスが少し分かりやすいと言えます。
かんにんの使用例
ここからは、「かんにん」の具体的な例文をいくつか見ていきます。
例文1.「その日都合悪いねん。かんにんな。」
相手に「その日は都合が悪いからだめだ。ごめんね」ということを伝える際、関西弁では「かんにん」を使ってこのように表現します。
関西人にどこかに誘われて都合が悪い時、このように返答するとウケるかもしれません。
例文2.「悪いんやけどペン貸してもろてええかな、かんにんね。」
この例文中では「かんにん」は例文1と同じような使われ方をしています。
重大な事柄に対する謝罪ではなく、比較的気軽な気持ちで使える言葉であることが分かります。
例文3.「今日体調悪ぅて行かれへんわ。ほんまかんにんやで!」
「かんにん」は基本的にカジュアルな謝罪の方言ですが、「申し訳なく思っている」ということを表したい時には「かんにん」の頭に「ほんま(本当に)」をつける傾向にあります。
とは言え、重大な局面では使わないようにしましょう。
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