ほかす(関西弁)の意味とは?
ほかすの意味
「ほかす」とは、物を捨てることを意味する言葉です。
「これほかしといて」などのように使い、京都府・大阪府・兵庫県・奈良県など関西圏では日常的に用いられています。
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ほかすの語源と由来
「ほかす」の語源は「放下す」です。
この「放下す」は室町時代に既に書物の中に記載があるとされており、この頃から捨てるという意味合いで使われていました。
この「放下す」が語源として一番濃厚ですが、もう一つ語源として考えられているのが仏教用語の「放下(ほうげ)」です。
物事に対する執着を捨て去ることを意味するこの「放下」も現在の「ほかす」の由来の可能性が高い言葉なので、併せて覚えておきましょう。
ほかすの例文
ここからは、「ほかす」の例文をいくつか見ていきます。
例文1.「ここ最近ごみ溜めっぱなしやったからそろそろほかさんとあかんわ。」
「あかん」は関西弁で「だめ」「よろしくない」を意味する言葉です。
捨てるという意味を持つ言葉であることからも、「ごみほかす」という表現はよく使われるのできちんと押さえておきましょう。
例文2.「この服もう着ぃひんけどほかすんもったいないなぁ。」
「この服はもう着ないが捨てるのはもったいない」という意味の例文です。
家族や友達同士であれば、このように呟いた後「ほかすねやったらもろてええ?(捨てるなら貰ってもいいかな?)」という言葉が返ってくることがあります。
物をほかされへん人の心理
ここからは、物をなかなかほかすことのできない人の心理について簡単に解説していきます。
心理1.ほかすことに罪悪感を感じている
近年では環境保護の視点から個々人がなるべくごみを出さない努力をするようになりました。
そのこともあって「物を捨てるのは良くないこと」「環境に悪いことをしている」などのように不要なものをほかすことに対して罪悪感を感じてしまうことから、なかなか物を手放せなくなってしまいがちです。
心理2.もったいない精神が強い
「まだ使えるかも」「とっておけばいつか出番があるかも」「手放したら後悔するかも」など、もったいない精神が強すぎるせいでなかなかほかせないという人もいます。
とは言え、これまで使わなかったものを「いつか使うかも」とほかさずにとっておいたとしても、結局その後一度も使わなかったということになりがちです。
「まだ使える」と思うものであったとしても、今後の自分にそれが本当に必要なのかどうかを冷静に判断してほかすよう意識してみましょう。
心理3.思い出がある
誰かから贈り物としてもらったものや、昔大切にしていたものというのは思い出もあってなかなかほかしづらいものです。
故人との思い出の品や記念品などは大切にとっておいても問題ありませんが、もう自分には必要ではないものは思い切って手放すという選択をしても良いかもしれません。
物をほかす時の基準
人からの頂き物・本・洋服・雑貨・キッチン用品・書類など、様々な考えや気持ちからなかなか不要なものをほかせないという人は多いですが、そんな人は以下の基準を目安にしていらないものをほかしてみてはいかがでしょうか。
一年以上使っていないもの
今の自分の好みまたはサイズが合わないもの(洋服・装飾品・カバン・靴など)
電子化できるもの(本・書類など)
何となく捨てずに置いているもの(お菓子の箱や缶・試供品・薬・引き出物など)
衝動買いしたものの結局それ以降手にとってもいないもの
これらの基準でまずはいらないものをほかし、残ったものの中でもさらに厳選してほかすもの・残すものを分類していくと一気に不要なものを手放すことができます。
不用品を手放した後は、いらないものを再び増やさないために「何を何個まで持って良いか」など自分なりにルールを作っておくと尚良いでしょう。
ほかす以外の選択肢は?
「いらないものをほかしたいけど勿体なくてどうしても無理」という方は、リユースショップで買い取りをしてもらったりフリーマーケットアプリなどを利用するというのも一つの手です。
自分がもう必要としないものを誰かがまた使うというのは、ごみを出さずに済みとてもエコ。
比較的サイズの大きなものは本来ほかすのに手数料がかかりますが、リユースショップやフリマアプリを使えばお金もかからないのでおすすめです。
ただし、故障しているものや汚損が激しいものなどは買い取りしてもらえなかったり出品しても購入してもらえないことがあるので、そちらだけ注意しましょう。
また、友達や知り合いに譲るというのもおすすめです。
無理に押し付けるのは良くありませんが、たとえば相手に子どもがいるのであれば子ども服やおもちゃ、近々引っ越しをする予定の人なのであれば家電など、相手の状況をよく観察して話を持ち出せば喜んで引き取ってもらえるかもしれません。