栃木県の県庁所在地はなぜ宇都宮市？
栃木県の県庁所在地の概要
県庁所在地
宇都宮市
県庁の住所
〒320-8501栃木県宇都宮市塙田1-1-20
県庁舎
栃木県庁舎は市民の憩いの場となっている県民広場の前に建っています。
地上6階、地下1階の庁舎内は誰でも利用しやすく、環境にも配慮した造りです。
耐久性のある建材を利用したり、省エネのために自然エネルギーの活用を積極的に行なっています。
耐震性が高く防災拠点もあるため、災害対策ビルとしても機能します。
また、県庁舎内の壁や床、天井には栃木県産の材木や県産品を多く使用しています。
宇都宮市の概要
宇都宮市の概要について解説していきます。
宇都宮市の人口
2022年8月1日の統計によると、宇都宮市の人口は515,201人です。
栃木県内最大の都市であり、人口は関東圏の中でも第10位となっています。
宇都宮市の気候
春から夏にかけてはあまり気温が上がりません。
これはオホーツク海気圧の影響によるものです。
また、気温が上がると雷が鳴ることが多く、「雷都(らいと)」とも呼ばれています。
冬には乾燥した風が吹き、晴れの日が続きます。
空気が澄んでいる日は、高い場所に登れば富士山を眺めることもできます。
宇都宮市の由来や成り立ち
宇都宮には古い歴史があります。
豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)という人物が蝦夷平定のために現在の宇都宮に入り、この土地を開いたとされています。
その豊城入彦命を祀った二荒山神社を中心に、門前町として栄えた町でした。
のちに藤原宗円という人物がこの二荒山神社の社号を「宇都宮」としたことが「宇都宮市」の由来です。
江戸時代には城下町として発展し、「小江戸」とも呼ばれていました。
住めば愉快だ宇都宮
2010年、宇都宮市は「住めば愉快だ宇都宮」というロゴを完成させます。
これは全国に宇都宮市をPRするためです。
このロゴは庁舎の中や鉄道内などさまざまな場所に掲げられています。
使用許可申請を出せば法人や個人単位でもロゴを使用可能です。
宇都宮市が県庁所在地になった経緯
次に、宇都宮市が県庁所在地になった経緯についてご紹介します。
戊辰戦争と佐賀藩の支配
1871年に起こった戊辰戦争の後期、新政府は佐賀藩の兵士を下野国(現在の栃木県の旧国名)に送りました。
それ以降、明治初期の下野国は佐賀藩から来た大量の兵士に支配されることになるのです。
その後下野国を支配してい真岡(もおか)代官所という場所の名前を取り、下野国に「真岡県」が誕生します。
しかしこの真岡県は実在していたという資料や史跡がなく、実は真岡県は存在しなかったのではないかという説もあります。
日光県の誕生
1869年、真岡県に周辺の旧日光山領や旧旗本領を加え「日光県」が誕生します。
その時県庁は宇都宮城の中に置かれていました。
その後日光県の中央にあったほうがよいという理由で開雲寺という場所に県庁が移転されます。
そして最終的には日光に県庁が移されることになるのです。
2度の廃藩置県と栃木県の誕生
1871年の廃藩置県により、下野国は日光県、吹上県、黒羽県、茂木県、壬生県、佐野県、足利県、大田原県、烏山県、そして宇都宮県の10県が置かれました。
下野国は飛び地にも領地を持っていたので、総県数は20県ほどあったと言われています。
1度目の廃藩置県から4ヶ月後、2度目の廃藩置県が行われます。
多くの県に分かれていた下野国は栃木県と宇都宮県の二つに統合されることになったのです。
最終的に1873年に宇都宮県が栃木県に入り、現在の形の栃木県が誕生しました。
宇都宮市が県庁所在地になった理由
宇都宮県と栃木県が合併し栃木県となった時、県庁は栃木町(現在の栃木市)に置かれました。
栃木町には人々の暮らしに便利な施設が多く集まるようになりましたが、栃木県に吸収される形になった宇都宮の人々は「宇都宮の方が県庁にふさわしい」と県庁移転を唱え始めます。
そして1884年に県庁は実際に宇都宮市に移転されることになるのです。
その理由として、宇都宮が栃木県の中心部にあること、交通の要として重要な国道が通っていることの2つが挙げられました。
5日間だけ県名が宇都宮県に？
県庁が宇都宮市に移転して5日間だけ、栃木県は「宇都宮県」と呼ばれました。
これは県の職員が「県庁所在地になったので栃木県は宇都宮県に改称した」と勘違いして新聞に載せてしまったためです。
県名は政府の指令なく勝手に変えることができないので、これは完全に間違った情報でした。
5日後には宇都宮県改称の情報は訂正されました。
しかし警察署や学校などでは、5日間のうちにすでに「宇都宮県」と表札を変えた所もあり、市民の混乱を招く珍事となったのです。
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