滋賀県の県庁所在地はなぜ大津市?
滋賀県の県庁所在地の概要
県庁所在地
大津市
県庁の住所
〒520-0044滋賀県大津市京町4丁目1-1
県庁舎
滋賀県の県庁舎は本館、新館、東館、北新館に分かれています。
本館1階の正面玄関近くには県民サロンがあり、県民が待ち合わせ場所や休憩場所として利用されている他、県内のイベントのパンフレットなども置かれており、情報提供の場となっています。
県庁の中も予約をすれば見学することが可能です。
小学生向けの県庁ミニ講座なども開かれているので、社会見学などで訪れる子どもたちもいるようです。
大津市が県庁所在地になった経緯
ここからは、大津市が滋賀県の県庁所在地になった経緯について解説していきます。
明治維新と県庁舎
現在の滋賀県は昔「近江国」と呼ばれていました。
明治4年の廃藩置県をきっかけに「滋賀県」へと名前を変えることになります。
滋賀県が誕生した頃、県庁は大津市の円満院という寺院に置かれていました。
明治19年には寺院の老朽化を理由に新庁舎の建設が始まり、2年後に完成します。
この新庁舎は昭和12年に取り壊されるまで長く県庁舎として利用されました。
なぜ大津市が県庁所在地になったのか?
滋賀県で有名なお城といえば彦根城です。
江戸時代の建物がそのまま残っている大変貴重なお城でもあります。
県庁所在地は城を中心とした城下町に置かれることが多かったのですが、滋賀県の場合は少し違う理由で彦根市ではなく大津市に県庁舎を置きました。
大津市が県庁所在地に選ばれた理由として大きかったのは、琵琶湖の存在です。
琵琶湖は京都や大阪と滋賀を結ぶ交通手段でした。
鉄道が開通するまでの長い間、大津市は水運の要として重要な役割を果たしていたのです。
また、大津市は彦根市に比べて当時主要な都市である京都や大阪に近かったことも、県庁所在地に選ばれた理由ではないかとされています。
2回の県庁移転計画
このような経緯で滋賀県の県庁所在地は大津市に決定したのですが、過去2回にわたって県庁の移転計画が起こっています。
移転先は彦根城を中心とする大規模な城下町であった彦根市です。
1回目は明治24年に、2回目は昭和11年に、県庁を彦根市に移転させる計画が持ち上がります。
しかしどちらの計画も実行には移されませんでした。
県知事による反対や議会で案が通らなかったことが原因です。
なぜ大津県ではないのか?
廃藩置県後、滋賀県は一度は「大津県」という名前になりました。
しかし2ヶ月ほどで「滋賀県」へと名前を変えることになります。
大津はもともと江戸幕府の直轄地であり、大津代官所が置かれていたため、新政府は幕府の名残を嫌い「大津」の名前を県名として残したくなかったのです。
「しが」には石が多いという意味があり、それに漢字を当てはめて「滋賀」としたという説が残っています。
大津市の概要
次に滋賀県の県庁所在地である大津市の概要について見ていきましょう。
大津市の人口
2020年の調査によると、大津市の人口は約34.5万人です。
これは県内最大の人口で、年々増加する傾向にあります。
人口増加の理由として、京都市まで電車で10分ほどの立地にありベッドタウンとなっていることが考えられます。
大津市の気候
大津市は近江盆地にあり、内陸性気候です。
内陸性気候の土地は海からの影響を受けにくいため、乾燥しやすくなります。
また、年間の気温の変化が大きいことも特徴です。
大津市の名前の由来
「津」にはもともと「船着場」「港」という意味があります。
平安時代からすでに琵琶湖を中心に水運が発達していたことから、「大きな港」という意味で「大津」と呼ばれるようになりました。
667年、天智天皇が近江に遷都した際に「近江大津宮」と名づけたと言われています。
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