三重県の県庁所在地はなぜ津市?
三重県の県庁所在地の概要
県庁所在地
三重県津市
県庁の住所
〒514-8570三重県津市広明町13
県庁舎
三重県の県庁舎は本庁舎と三重県議会議事堂から構成されています。
庁舎の機能の一部は県内10市にある分庁舎に分けられています。
現在の庁舎は1964年に完成した建物で、地上8階、地下1階建となっています。
1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに耐震調査をした結果、耐震性能に不安があったため2001年に免震工事を行いました。
旧三重県庁舎
旧三重県庁舎は1879年から1964年まで使用されていました。
国の重要指定文化財となっており、現在は愛知県にある「明治村」に移築復元されています。
旧三重県庁舎の跡地は公園となり、現在では県庁前公園として市民に親しまれています。
津市が県庁所在地になった経緯
次に、津市が県庁所在地になった経緯について解説します。
廃藩置県と三重県
1871年の廃藩置県により、三重県は北半分が安濃津県、南半分が度会県となりました。
その頃安濃津県の県庁舎は津市にありました。
津市はもともと津城(安濃津城)を中心とした城下町であり、県庁として利用するための建物が多かったことが、県庁所在地の選定理由であると言われています。
また、県庁で働く人々が住む場所も多く確保することができました。
四日市市に移された県庁
廃藩置県の翌年、県庁は当時の三重郡四日市に移されることになります。
県名も安濃津県から三重県へと変わりました。
県庁移転の理由として、開運陸運共に交通の便がよかったことなどが挙げられています。
しかしその後再び県庁は津へと戻されることになります。
四日市に県庁を移したものの、県庁舎が手狭だったことや職員の住居が不足したことなどが問題となったからです。
また、三重県と度会県の合併話が出たため、県の中央に位置する津市の方が県庁所在地として便利だという意見があったことも移転理由とされています。
県庁所在地は四日市市の方がよい?
現在三重県の中で一番人口が多く栄えているのは四日市市です。
県庁を置くのは津市ではなく四日市市の方がよいという意見もたびたび出ています。
しかし県庁が津市と四日市市を行ったり来たりしていた頃は、津市の人口の方が2,000人ほど多かったというデータが残されています。
また、先述のように四日市市は中心街の土地が狭く、県庁を置くのに十分な敷地が確保できないことなどから、その後四日市市の人口が多くなっても県庁所在地には選ばれていないのです。
津市の概要
ここからは三重県の県庁所在地である津市の概要について解説します。
津市の人口
2022年の調査によると、津市の人口は約27.1万人です。
これは四日市市の約30.4万人に続いて第2位の多さです。
2006年には近隣の10市町村が津市に参入することになり、それまでよりもかなり人口が増えました。
面積も県内最大の都市となっています。
津市の気候
津市の年間平均気温は16.3℃ほどです。
寒暖の差は大きいですが、年間を通して温暖で過ごしやすい気候となっています。
津市は面積が大変広いため、場所によって気候が異なることがあります。
津市の名前の由来
津市はもともと安濃津と呼ばれていました。
「津」には「船着場」「渡し場」という意味があり、鹿児島県の坊津(ぼうのつ)、福岡県の花旭塔津(はかたつ)と共に「日本三津」とされています。
この三カ所は中国との貿易で重要な港となっており、流通の拠点として重要な場所でした。
現在は安濃津の「津」の部分だけが都市名として残っています。
江戸時代ごろから安濃津を省略した「津」が使われるようなったと言われています。
日本の都市の中で読み方がひらがな1文字なのは「津」だけという特徴もある場所です。
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