山梨県の県庁所在地はなぜ甲府市?
山梨県の県庁所在地の概要
県庁所在地
甲府市
県庁の住所
〒400-8501山梨県甲府市丸の内1丁目6-1
県庁舎
山梨県庁は甲府城の西側に建っています。
本館、別館、議事堂が中心にあり、その周りに北館と西別館、そして防災新館があります。
以前はその他にも3つの建物がありましたが、県庁整備の際に閉鎖となりました。
現在の本館は1963年に竣工されたものであり、それまでは現在の別館を本館として利用していました。
2002年には免震工事が行われ、災害に耐えられる造りとなっています。
本館前にある噴水広場や議事堂前の庭は一般に無料で開放されており、多くの人が憩いの場として利用しています。
甲府市が県庁所在地になった経緯
ここからは、甲府市が山梨県の県庁所在地になった経緯を説明していきます。
城下町として栄えた甲府
武田信玄の父である武田信虎が開いた「甲府」ですが、武田氏滅亡後は織田信長、徳川家康、豊臣秀吉と次々に支配者を変えることになります。
そんな中天下統一を成し遂げた豊臣秀吉は、浅野長政・幸長親子らに甲府城の築城を命令します。
甲府城の周りには近代的な城下町も整備されました。
1600年の関ヶ原の戦い以降は再び徳川氏の支配下となり、ますますの発展を遂げます。
しかし享保年間の火災により本丸御殿が焼けてしまったことをきっかけに、甲府城の機能はだんだんと失われていくことになります。
廃藩置県と山梨県
廃藩置県以前、山梨県は甲府県という名前でした。
1871年の廃藩置県で甲府県は山梨県へと名称を変えることになったのです。
当時甲府は「山梨郡」という群に所属していたため、その「山梨」を取って山梨県となりました。
甲府市は武田氏の時代から人々の生活の中心地として栄え、豊臣・徳川時代には城下町として栄えていたことが県庁所在地に選ばれた理由であるとされています。
甲府市の概要
次に、山梨県の県庁所在地である甲府市の概要について見ていきましょう。
甲府市の人口
2022年の調査によると、甲府市の人口は約18.8万人です。
これは全国の県庁所在地の中で2番目に少ない数となっています。
甲府市は2000年には特例市となり、2019年に中核市となりました。
中核市となるためには人口20万人を超えていることが条件ですが、特例的に中核市となることが認められた都市です。
甲府市の気候
甲府市は盆地となっており、夏と冬の寒暖差が大きい地域です。
年間を通して降水量が少なく、夏は暑く冬は寒い気候となっています。
特に夏の暑さは特徴的で、酷暑としてニュースで報道されることもあります。
2013年8月には最高気温である40.7℃を観測した記録も残っています。
冬には雪がほとんど降りませんが、南岸低気圧の影響で突然の大雪に見舞われることがあります。
甲府市の名前の由来
甲府という名前は、1519年に甲斐国の守護大名であった武田信虎が付けました。
武田信虎は武田信玄の父にあたる人物です。
自分の家を現在の笛吹市から甲府市古府中町へ移動させた際に、「甲斐国の府中」という意味を込めて「甲府」と名付けたと言われています。
「府中」には「国の中心となる場所」という意味があります。
しかしこの頃の中心地は現在の笛吹市あたりだったと予想されるため、あくまで自分の住んでいる場所を「府中」と名付けた程度のものであったようです。
甲府は戦国時代、武田氏の本拠地であり、その後も甲斐国の政治的中心地として栄えてきました。
また、甲州街道の宿場町としての役割も果たしていたのです。
甲府市とBRT構想
甲府市には2027年開業予定のリニア新幹線停車駅が建設されることになっています。
しかし現在人々の生活の中心地となっている甲府駅からリニア新幹線停車駅まではかなりの距離があるため、新しく公共交通機関を整備する必要があります。
そこで甲府市は「BRT (バス・ラピッド・トランジット)構想」を固めてきました。
安く整備することができ、多くの人や荷物を運ぶことができるバスを利用することで、コストの削減が期待されています。
交通量増加による渋滞を避けるためのバス優先道路の整備も検討されているようです。
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