岐阜県の県庁所在地はなぜ岐阜市?
岐阜県の県庁所在地の概要
県庁所在地
岐阜市
県庁の住所
〒500-8570岐阜県岐阜市薮田南2丁目1番1号
県庁舎
岐阜県の県庁舎は事務棟、議会東棟、議会西棟、厚生棟などから構成される地上12階建ての建物です。
隣には警察本部の庁舎もあります。
もともと警察本部庁舎は県庁舎の中にありましたが、2006年に警察本部庁舎へと移転しました。
現在の庁舎は4代目で、2023年には新たに5代目の庁舎が開庁予定となっています。
これまでよりさらに耐震性を強化し、災害対策の拠点としての機能も備えた新庁舎です。
岐阜市が県庁所在地になった経緯
ここからは岐阜市が県庁所在地になった経緯について解説していきます。
城下町として発展した岐阜市
現在の岐阜市は、古くから岐阜城の城下町として発展を遂げてきました。
岐阜城は元の名を稲葉城と言い、1201年に建てられたとされています。
金華山の山頂に造られた稲葉城は難攻不落の城としても有名でした。
戦国時代に入り、城を治めていた斎藤道三を織田信長が討ち取ったことで城主が変わります。
この際稲葉城から岐阜城へと名前を変えました。
その後織田信長は「天下布武(天下統一)」を掲げ、城下町の整備にも力を入れます。
廃藩置県と岐阜県
現在の岐阜県域は「美濃国」と「飛騨国」に分かれていました。
1871年の廃藩置県をきっかけに、美濃国は周辺の国と合併し「岐阜県」となります。
一方飛騨国は筑摩県(現在の長野県)へと編入されます。
その後飛騨国は1876年に岐阜県に編入されることになり、現在の岐阜県域がほぼ完成となりました。
この時岐阜県の県庁は旧美濃国の幕領が支配していた笠松陣屋に置かれました。
しかし多くの機関が集まり、陣屋では手狭になったため県庁の移転計画が出たのです。
県庁移転
県庁の移転先としては、岐阜市や大垣市などが候補となりました。
その頃大垣市は岐阜県で一番大きな城下町だったのです。
しかし岐阜市は城下町として整備されていただけでなく、県の中央に位置し交通の要でもありました。
その点が考慮され、県庁は岐阜市に移転されることが決定しました。
岐阜市の概要
次に岐阜県の県庁所在地である岐阜市の概要を見ていきましょう。
岐阜市の人口
2022年10月の統計によると、岐阜市の人口は約38万人です。
1980年代には約42万人だったため、年々減少傾向にあると言えます。
それでも東海3県の中では名古屋市、豊田市の次に多い人口となっています。
名古屋まで電車で20分という近さ、土地の安さも魅力となり、近年岐阜駅の近くにはタワーマンションが多く建てられています。
名古屋に通勤する人々が生活の拠点にするなど、今後の人口増加が期待されています。
岐阜市の気候
岐阜市は太平洋岸気候に属する地域です。
また、岐阜県は海に面していないため、内陸性気候でもあります。
夏は直射日光が降り注ぎ、気温が大変高くなり、熱帯夜も多いです。
2007年8月には観測史上最高気温である39.8℃を記録しました。
一方冬は降雪量、積雪量共に多く、関東より西側の主要都市の中では最大量となっています。
岐阜市の名前の由来
以前は井ノ口と呼ばれていた場所を「岐阜」と改めたのは織田信長です。
天下統一という強い野心を持っていた織田信長は、800年に渡って天下泰平の世の中を築いた中国の故事から「岐阜」の名を取ったと言われています。
まず岐阜の「岐」は中国の天下統一が岐山という場所から起こったことから、そして岐阜の「阜」は学問の祖と言われる孔子が生まれた「曲阜」から、それぞれ1文字ずつ取って「岐阜」としました。
文王の時代、中国が天下統一を果たしたのと同じようにこの岐阜の地から天下統一を始めるという織田信長の強い思いが込められた地名なのです。
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