ユーティリティの意味とは?語源、実際の例文を併せて解説
ユーティリティの意味とは?
ユーティリティとは、元は有用性があることや何かの役に立つという意味を持つ言葉です。
ただし、現在ではジャンルによって大きく異なる意味を持つ言葉だと言われています。
それぞれのジャンルに応じた使い方を覚えていきましょう。
ユーティリティはこちらにも収録されています。
ビジネスの場合
ビジネスでは、全体的に「価値がある」という意味で使われる言葉です。
つまり会社にとって価値がある=どの部署でも活躍できる能力を持つ社員という意味で「ユーティリティ社員」という使い方をされることがあります。
また道具に関しても特定の用途だけではなく様々な用途で使える道具に対して「この道具はユーティリティに使える」という言い方をします。
IT業界における場合
IT業界では「ユーティリティソフトウェア」という言葉がよく知られています。
これはコンピュータ上で動作して、補助的な機能を提供するソフトウェアの総称です。
たとえばゲームやWordなどのアプリはコンピュータを利用する直接の目的となり、アプリケーションソフトウェア、あるいは略してアプリと呼ばれます。
それとは対照的に、多くの人は存在すら認知していないながらも、コンピュータが快適に動くために分析や最適化、保守などを行ってくれるソフトウェアをユーティリティソフトウェアと呼びます。
住宅業界の場合
住宅業界では、ユーティリティルームと呼ばれる部屋があります。
これは日本語では「家事室」と訳すことができます。
キッチンとは異なり、アイロンをかける部屋などをユーティリティルームと呼ぶことがあるようです。
ただし、日本ではあまりアイロンがけ専用の部屋などを作ることはないため、日本の家屋ではユーティリティルームという言葉が使われないケースも多いようです。
また、電気やガス、水道等の公共公益設備や、LANなどの通信設備のことを「ユーティリティ」と総称することもあります。
こうしたライフラインのように、日常生活を送るうえで欠かせない設備を「ユーティリティ設備」と呼ぶこともあります。
日本の場合はこちらの方がよく知られているでしょう。
スポーツ業界の場合
ゴルフでは、クラブの一種をユーティリティクラブと呼びます。
フェアウェイウッドとアイアンとの間の飛距離のクラブで、ロングアイアンの距離を柔らかく打てるため、ゴルファーにとっては扱いやすいクラブだと言われています。
また、「ユーティリティプレーヤー」という言葉もあります。
これは野球であれば「キャッチャーだけではなく、ファーストもセカンドもショートもサードも、外野のどの守備位置でも任せることができる選手」という意味を持ちます。
多くの場合、プロ野球選手はポジションが変わるとエラーなどを起こしてしまいますが、ユーティリティプレーヤーの場合は気にせず守備位置につくことができるため、急に誰かがケガをしたり不調に陥ったりした時などに活躍します。
同様にサッカーでも、フォワードだけではなくミッドフィルダーやディフェンスができる選手のことをユーティリティプレーヤーと呼ぶこともありますし、バレーでもセッター並にトスの上手いアタッカーをユーティリティプレーヤーと呼ぶこともあります。
ユーティリティの語源
ユーティリティの語源は、英単語のutilityです。
元々「効用」や「実用」、あるいは「実益」などの意味を持つ単語です。
こうした語源から「欠かせないもの」や「あると便利なもの」あるいは「どこでも効果を発揮するもの」に対して「ユーティリティ○○」と呼ぶようになりました。
ユーティリティの例文
ユーティリティを使った例文は以下の通りです。
ユーティリティプレイヤーを目指そう
野球などのスポーツに限らず、一般的な企業であっても営業しかできない社員より、経理や企画もできる社員の方が活躍の場が広がります。
また、営業に対して企画的な視点で新たな提案をすることもできるでしょう。
このように「なんでもできる社員になりたい」ということを「ユーティリティプレイヤーを目指したい」と言い換えることができます。
ユーティリティは欠かせない
水道やガスなどのライフラインのことを意味して「ユーティリティは欠かせないから普段からしっかり設備を点検しておかないと」ということもあります。
また、ユーティリティソフトウェアのように目に見えないものに対して「サポートしてくれるユーティリティは欠かせない」という言い方をすることもあります。