フィードバックの意味とは?使われる状況やメリット、ダメな例なども併せて紹介
フィードバックの意味とは?
フィードバックとは、誰かの行動に対する評価や改善点を伝えることで、さらに相手の行動を良くするための発言や行動を意味する言葉です。
元々はシステム工学の用語で「反応の結果を出力側(原因)に戻すことによって、原因側の状態を調整して、さらに意図している結果を出すための仕組み」を意味していました。
それがビジネス上などを中心に「相手の行動の結果を本人に伝え、本人の行動や発言を改善することで、さらにより良い結果を出すための行動」という意味を持つ言葉に変化していったのです。
上司や先輩が「フィードバックするから、ちょっと時間ちょうだい」ということもあれば、新入社員や後輩が自分から「本日の行動についてフィードバックをください」とお願いすることもあります。
フィードバックはこちらにも収録されています。
フィードバックが使われる状況
フィードバックは、以下のような状況で多く使われる言葉です。
上司に何かを提案した時
自分から上司に対して何かを提案した時、上司から「全体的に良いけど、もう少し◎◎の部分に説得力を持たせてほしい」や「それだと相手に意図が伝わらないから、△△というニュアンスを入れつつ、もう少し練り直してほしい」というアドバイスを受けることがあるでしょう。
これが典型的なフィードバックの一例です。
「今からフィードバックする」や「フィードバックをお願いします」のような発言がなくても、第三者から自分の行動や発言、プレゼンについてアドバイスをもらった時は、フィードバックだと認識しても良いでしょう。
誰かの前で練習をした時
大きな会議などでの発表が控えている時、ぶっつけ本番で会議に臨むことはないでしょう。
部署の中で何度か練習し、資料などを訂正してから発表する場合がほとんどです。
そのように、誰かの前で練習をして「資料のこの部分が分かりづらい」や「この言い回しは良かった」のようなフィードバックを受けることもあります。
また、フィードバックというと上の立場の人に「してもらう」というイメージを持つ人が多いですが、上司の発表の練習に対して自分がフィードバックを行うこともあります。
フィードバックのメリット
フィードバックを受けることによるメリットを2つ紹介していきます。
自分を客観視できる
誰でも、最初に資料を作る時には自分で最高だと思えるものを作るでしょう。
ただし、周りから見るとどうしても分かりづらい部分や、意味の伝わらない部分もできてしまいます。
そんな時、フィードバックを受けることで自分自身を客観視することができます。
「この資料の改善点はここなんだ」や「自分のこういう言い方は誤解を招くことがある」と自覚することができるでしょう。
そのように何度もフィードバックを受けることで、最初からほぼ完ぺきな資料を作れるよう、スキルアップしていくこともあります。
本番に良い状況で臨める
何度もフィードバックを受けることで、本番に良い状況で臨めるというメリットもあります。
人前で発表する経験を積むことで、本番でも緊張せずに発表することができるでしょう。
また、何度もフィードバックを受けるうえで、発表後に質問されそうな箇所も把握できるため、発表自体ではなく質疑応答なども心の準備ができるケースもあります。
フィードバックの悪い例
相手の行動に対して自分の感想を言うだけでは良いフィードバックになりません。
悪いフィードバックだと言われてしまう例も3つ紹介していきます。
単なる否定になっている
相手の行動の改善点を伝えるのは良いのですが、それが相手の行動の全否定になっていると、好ましくないフィードバックになるでしょう。
「ここがダメ。ここもダメ。もう聞く価値もない。時間の無駄!」などと言ってしまうと、相手のやる気をそいでしまいます。
会社などでこのような発言をするのは、単なるパワハラになってしまいます。
確かにひどい発表やアイディアを聞かされると否定する部分しかないと思ってしまうこともあるかもしれませんが、フィードバックを受ける方の気持ちを考えた伝え方をする方が良いでしょう。
相手の人格を攻撃する
フィードバック中に相手の人格を攻撃するのも、多くの人がしてしまいがちな悪いフィードバックです。
「こんなことしか言えないなんて、今まで何を学んできたの?」や「君が考えられるのはこの程度なんだね」のような発言は、フィードバックにすらなっていません。
たとえ求めている基準に達していないようなものを提出されたとしても「研修を受けた意味がなかった」や「これならいない方がマシ」のように、相手自身を攻撃するようなフィードバックは絶対にしてはいけません。
改善案を出さない
フィードバックはそもそも、欠点を指摘するものではありません。
欠点だけではなく、相手に対する改善点を伝えることが大切です。
よく悪いフィードバックの例として「ここと、ここと、あそこが意味不明」と伝えるだけで終わってしまうものがあります。
ですが、これでは単なる欠点の指摘です。
「ここが分かりづらいから、こういう風に表現を変えてみよう」や「ここはこういう表現にした方が伝わるんじゃない?」というような、改善策も一緒に伝えるようにしましょう。