ベクトルの意味とは?ビジネスと一般的な使い方を分けて解説
ベクトルの意味とは?
ベクトルとは、大きさと向きを持つ量を意味する言葉です。
特にビジネス上では、物事や考え方、計画やプランなどの方向性をあわらす際に使われます。
ただし必ずしも、参加メンバー全員の考え方のベクトルが一致しているとは限らず、抽象的に「あっちの方面に注力する」のような時に使われることもあります。
ベクトルはこちらにも収録されています。
ベクトルの語源
そもそもベクトルはビジネス上で使われる言葉ではありません。
元々は数学で覚えたという人も多いのではないでしょうか。
数学で使われるベクトルも、単に「正の数字」や「負の数字」あるいは「10の単位」や「100の位」など、方向や大きさ単体で使われることはありません。
「正の方向に10進む」や「負の方向に対して30進む」のように、方向と大きさを併せ持った単位として使われるのがベクトルです。
こうした数学的な使われ方と同じように、ビジネス上でも「大きさと向きの両方を持つ量」として扱われるようになりました。
ベクトルの使い方
数学を学んでいる時に限らず、ビジネスでも一般の日常会話でも「ベクトル」という言葉が使われるケースは少なくありません。
主な使い方を紹介していきます。
ビジネスの場合
ベクトルを揃える
ビジネスでは特に、同じプロジェクトに従事ししているメンバーは同じ熱量で同じ目標に向かって進んでいく必要があります。
たとえば部署の大半が部署目標の達成に向けて頑張っているのに、誰か一人だけが「自分の目標を達成したからもう頑張らなくて良い」と思っていては、達成できるものも達成できないでしょう。
だからこそ、全員で「絶対に目標を達成する」というように気持ちを揃えることが大切です。
また、「できれば達成したい」や「達成できればいいな」という気持ちではなく「絶対に」のように同じ熱量を持つことも大切です。
このように、メンバーの気持ちを揃えて同じ方向を向くことを「ベクトルを揃える」と表現することがあります。
ベクトルを修正する
仕事では最初に決めた目標を修正することもあるでしょう。
たとえば「目標は1,000万円だったけど、やっぱり1,100万円を目指そう」と目標値が変わることもあります。
他にも「10代から20代の女性が対象だったけど、売上的には10代の男女を対象にした方が良さそう」のようにターゲット層が変わることもあります。
このように量(目標)やターゲット層(方向)を変えることを「ベクトルを修正する」と表現します。
計画段階でベクトルの修正が必要になることもあれば、実際に商品を売り始めてからベクトルを修正して広告手法などを変えていくこともあります。
一般的な場合
気持ちのベクトル
一般的な会話でベクトルという単語を使う時は、気持ちに対して使うことが多いと言われています。
たとえば恋人同士でお互いの恋愛感情の大きさが一致しない時は「気持ちのベクトルが違うから、一緒にいても辛いだけ」のように使うことがあります。
他にもワークライフバランスに対する考え方の違いを「私生活に対する考え方のベクトルが違うよね」と表現することもあります。
ベクトルが違いすぎる
普段は「ジャンル」という言葉で表現することを、ベクトルという単語を使って表現することもあります。
たとえば、普通は海水浴と森林浴を同時に楽しむことはできません。
そういう状況で「遊びのジャンルが違うよね」という話を「遊びのベクトルが違うから、同時には楽しめないね」と表現できます。
他にも友達同士の会話で、インドア派とアウトドア派のように全く趣味が異なる人たちが「趣味のベクトルが全然違うのに気が合うのは不思議だよね」という言い方をすることもあります。