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ヒューリスティックの意味とは?類義語や混同しやすい言葉、具体例も併せて解説

(公開日: 2023年5月10日)

ヒューリスティックの意味とは?

ヒューリスティックとは、「発見的手法」という意味を持つ言葉です。

元々は心理学の分野で使われている専門用語でしたが、最近ではビジネスシーンでも使われることが増えてきました。

ヒューリスティックの具体的な意味は「必ず正しい答えを出すというより、先入観や自身の経験、あるいは直感によって、正解に近いような答えを得ることができる思考法」という意味を持ちます。

たとえばゴミ箱に物を投げ入れる時、投げた瞬間に物理学の専門的な計算をしなくても、なんとなく入るかどうか分かることがあるでしょう。

あれも緻密な計算をしていなくても、今までの経験から結果が分かるのです。

同様に、野球選手がホームランを打った瞬間に分かるのも、バスケ選手がスリーポイントシュートを投げた瞬間に結果を悟るのも、ヒューリスティックの一種だと言われています。

簡単に言えば「経験則」と言い換えることも可能なのがヒューリスティックです。

このヒューリスティックによって直感的な行動が可能になるものの、多くの場合は自分の偏見が含まれることもあるので、その点には注意しなければなりません。

ヒューリスティックはこちらにも収録されています。

ヒューリスティックの類義語

ヒューリスティックの類義語を紹介していきます。

経験則

先ほど触れた通り、ヒューリスティックは経験則と言い換えることができます。

今までの自分の経験からなんとなく結果が分かるのは、ヒューリスティックの一種だと言えるでしょう。

ゴミを投げた瞬間に入るかどうか分かるというものの他に、普段から通っている道で「この時間なら横断歩道が点滅していても渡りきれる」や「この道なら赤信号に引っかからない」と分かるのも、ヒューリスティックの代表例だと言われています。

発見的手法

元々のヒューリスティックの日本語訳である発見的手法も、ヒューリスティックの類義語の一つだと考えられます。

発見的手法の定義は「問題解決のために暗黙のうちに使用している判断基準」であると言われています。

つまり「これをしたら上手くいく」などの経験則も発見的手法の一種であるため、まさにヒューリスティックの類義語だと言っても問題ないでしょう。

ヒューリスティックと混同しやすい言葉

ヒューリスティックと混同しやすい言葉としては、次の2つがよく知られています。

認知バイアス

たとえば黄色い果物を見た時、それがレモンではなくてもなんとなく「すっぱそう」という気持ちになる人も多いでしょう。

そのように判断を下すことを認知バイアスと呼びます。

これも今までの経験から判断をしていますが、認知バイアスは簡単に言えば単なる偏見です。

そこに正しいかどうかは関係ありません。

一方、ヒューリスティックの定義は「今までの経験から正解に近い答えを導き出すこと」です。

そのため正確性という観点から、認知バイアスは似ているようで違う言葉であると考えられています。

アルゴリズム

アルゴリズムは、計算によって問題を解決する方式のことを言います。

たとえばコンピュータなどを使い、演算によって正解に近い答えを導き出すのがアルゴリズムです。

「正解に近い答え」という点ではヒューリスティックと似ていますが、コンピュータを使うことが異なります。

ヒューリスティックはあくまで、わざわざそうしたツールを使うことなく、今までの経験から直感などで「なんとなく」正解に近い答えを導き出すことを言います。

そのため、出てくる答えは似たようなものでも、手法は大きく異なるのです。

ヒューリスティックの具体例

ヒューリスティックの具体例としては、どのようなものがあるのでしょうか。

代表性ヒューリスティック

最も典型的なヒューリスティックとしては、代表性ヒューリスティックが知られています。

「東大に入った人は、親も大卒である可能性が高い」や「バスケの選手には背が高い人が多い」という傾向から無意識のうちに下す判断のことを、代表性ヒューリスティックと言います。

もちろんどちらもデータとしてはそういった傾向があることは確かですが、必ずしもそうであるとは限らないものです。

利用可能性ヒューリスティック

利用可能性ヒューリスティックとは、今までの利用した経験に頼った判断をすることです。

たとえば忙しい時に「部署の人数分のお弁当をとりあえず早く買ってきて!」と言われてコンビニに行くとしたら、あまり吟味せずに選ぶ人が多いでしょう。

「たくさん食べる人が多いからガッツリ系が5人分で、小食な人のためにパンとかを買って…」と、なんとなくで急いでカゴに入れる人も多いのではないでしょうか。

そのように頭の中に浮かんだものでなんとなく利用場面を考えながら判断することを、利用可能性ヒューリスティックと言います。

固着性ヒューリスティック

最初に手に入れた情報に固執し、それを信じて判断基準にすることを固着性ヒューリスティックと言います。

たとえば雑誌によって星占いの結果などは大きく異なりますが、最初の雑誌で「今月はさそり座の運勢が良い!」と言われていると、なんとなくそれを信じるでしょう。

その後、違う雑誌で異なる占い結果を見ても「いや、でも運勢は良いって言われてたし…」と、最初の情報に固執しがちです。

そのように、なんの根拠もないのに最初の情報を信じ、それに基づいた行動をすることが固着性ヒューリスティックの典型例です。

シミュレーションヒューリスティック

今までの経験や先入観によって判断することを、シミュレーションヒューリスティックと言います。

「今までも失敗ばかりだったから、きっと今回もダメだ」や「こういうタイプの人とは仲良くできるわけがないから、最初からなんとなく苦手」のように、今までの体験を元に判断します。

もちろんネガティブなものだけではなく「この服を着ている時はなんとなく良いことが多い」や「この道を通ると成功する」のようにポジティブなものもあります。

シミュレーションヒューリスティックは、これまでの体験による自己暗示の一つだと言っても良いでしょう。

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