ダブスタ(ダブルスタンダード)の意味とは?
ダブスタの意味
ダブスタとは、「ダブルスタンダード」の略です。
日本語では「二重規範」や「二重基準」という言葉で表されます。
本来何かを判断する基準というのは1つのはずですが、そうでなく基準や軸が2つ以上あることを意味します。
そこから転じて、相手によって態度を変えたり意見に一貫性がなかったりすることをインターネットスラングとして「ダブスタ」と表現することもあります。
もともとはインターネット上で使用されていた言葉ですが、近年では日常会話の中でも使用されるようになってきています。
ダブスタの由来
ダブスタという言葉は英語の "double standard" が由来となっています。
「double」は「複数の、二重の」、「standard」は「基準、標準、規範」という意味があります。なので日本語で "double standard" は「二重規範」となるわけです。
ダブスタの類義語
では、ダブスタの類義語にはどのようなものがあるのかを見てみましょう。
類義語1.朝令暮改(ちょうれいぼかい)
朝令暮改とは、朝に出した命令を夕方には変えてしまうことです。
そこから転じて、方針などが絶えず変わってしまいあてにならないことを意味します。
あてにならないことや迷惑なことの例えとして使用される四字熟語です。
類義語2.二枚舌(にまいじた)
舌が二枚あってそれぞれが違うことを言うことを二枚舌と言います。
つまり「矛盾したことを言う」「人に嘘をつく」という意味になります。
「二枚舌」は仏教用語の「両舌」という言葉が由来とされています。
類義語.3二律背反(にりつはいはん)
二律背反とは、相互両立が不可能な矛盾という意味です。倫理学や哲学の中でよく使用される言葉です。
日常生活で例えるならば、「仕事の量を減らして早く帰れるようにはなったが、給料が減り生活が苦しくなった」というようなことです。
ダブスタの対義語
次に、ダブスタの対義語を見ていきましょう。
対義語1.首尾一貫(しゅびいっかん)
首尾一貫とは、初めから終わりまで一つの事柄が貫かれていることを意味します。
誰かが主張する意見や主張に矛盾がないなど、針や考え方に対して使われる言葉です。
対義語2.インテグリティ
インテグリティとは、「高潔な」「誠実な」「真摯な」という意味に訳される英語です。
「インテグリティのある人」「インテグリティのある企業」など、褒め言葉として使用されることが多い言葉です。
ジェンダーにおけるダブスタ
ダブスタには前述した意味の他にもさまざまな意味があります。
まずはジェンダーにおける「ダブスタ」です。
ジェンダーにおけるダブスタとは、女性に対しての評価基準が男性とは違うことを意味します。
女性が社会のジェンダー意識や期待から逸脱した時、男性ならば許容されることでも「女性」というだけで不適切とされてしまうことです。
女性としてこのように行動するのが望ましい、女性の役割はこうだ、という社会の規範が影響していると思われます。
また、同じ仕事量をこなしているにも関わらず、男性よりも女性の方が給料が低いと言った事例も、ジェンダーにおけるダブスタに当てはまります。
架空の車名「ダブスルタンダード」
アメリカのゲーム会社が制作した『グランド・セフト・オート』というゲームには、「ダブルスタンダード」という名前の車が登場します。
これは実在しない架空の車名です。しかしゲームのプレイヤーから「ダブスタ」と呼ばれ、親しまれています。
ダブスタは迷惑?
インターネット上でも日常会話でも、ダブスタはあまりよくない意味として使用されることが多い言葉です。時には差別的であったり人権侵害と受け取られてしまうことも。
また、相手によって態度を変えたり、主張や意見に一貫性がないことは人付き合いに大きな影響を与えます。
自分の中で完結できるダブスタであればよいのですが、対人関係におけるダブスタは「迷惑である」「信用できない人である」と捉えられてしまう可能性があるので注意が必要です。
ダブスタの使用例
最後にダブスタの使用例を見ていきましょう。
使用例1.『同じようなミスをしたのにAさんだけが叱られるなんてダブスタだ。』
AさんとBさん、二人の社員がいて同じようなミスをしたとします。
Bさんは上司のお気に入りなので叱られず、Aさんだけが叱られるというダブスタの例です。
この場合上司は同じミスが起こったにも関わらず、AさんとBさんという相手によって態度を変えていることになります。
使用例2.『お金を節約すると決めているのに、趣味にお金を注ぎ込むのはダブスタだ。』
これはオタクにはよくある例かもしれません。
生活費などを節約しているにも関わらず趣味のためには出費を惜しまない、むしろ趣味に使うために生活費を節約しているという人も多いのではないでしょうか。
しかしこの場合は自己完結していて他人に迷惑をかけていません。その点では許容できるダブスタと言ってもよいでしょう。
使用例3.『母にはダメと言われたのに父にはOKと言われた。我が家はダブスタだ。』
こちらもよく見られる例です。家庭内のルールが一貫しておらず、母と父で子どもに対する教育方針が違っているのです。
家庭でも学校でも、教育方針が定まっていないことは子どもたちに悪い影響を与えかねません。十分注意していきたいですね。