サカバンバスピスの意味とは?
サカバンバスピスの意味
サカバンバスピスは、オルドビス紀に生息していたとされる海洋生物です。
原始的な脊椎動物とされており、ヒレがなく細長いおたまじゃくしのような形をしています。
発見された化石によると、当時の体長は約25cmほどだったようです。
ボリビアやアラビア、オマーン、オーストラリアなどで化石が発見されており、どれも浅い海だったことが考えられています。
サカバンバスピスの由来と語源
サカバンバスピスの名前の由来は、ボリビアにある「サカバンビラ」という村です。
ここでサカバンバスピスが最初に発見されたことから、この名前がつきました。
体が非常に硬い骨で覆われていたため、サカバンビラにラテン語で「盾」という意味の「アスピス」を付けて、「サカバンバスピス」と呼ばれるようになったようです。
サカバンバスピスはなぜ流行した?
2022年にSNS上にこの魚の復元模型が掲載されたことをきっかけに、世界中に広まりました。
サカバンバスピスは独特のシルエットをしており、正面から見た顔がポカンと口を開けているような、何とも言えない表情に見えます。
この見た目が人気となり、日本でも2023年6月にインターネット掲示板で紹介されました。
その後インターネットユーザーの間で知名度が急上昇したのです。
ネットメディアや動画などで紹介する人が増え、イラストやキャラクター化もされるようになりました。
最近ではぬいぐるみどのグッズになったり、コスプレイベントでサカバンバスピスのコスプレイヤーを見かけることもあるようです。
サカバンバスピスの模型はどこにある?
SNSに掲載されたことで一躍有名になったサカバンバスピスの模型は、フィンランドのヘルシンキ自然史博物館という所に展示されています。
ヘルシンキ中央駅から徒歩で行ける距離にあるこの博物館は、観光客にも人気のスポットです。
北極やアフリカ、南半球など世界中の自然や生命体について学ぶことができ、もちろん海の生き物についてもたくさん展示されています。
ヘルシンキ自然史博物館はもともと1870年にロシア少年学校として建てられました。
また、南北戦争時代には軍事病院としても使われていた、大変歴史ある建物です。
博物館として使われるようになったのは1900年代の前半だと言われています。
アニメや楽曲にも登場
2023年、ニコニコ動画とYoutubeに『サカサカバンバンバスピスピス』という約1分半の動画が投稿されました。
この動画を投稿したのは「やかもち」というアーティストで、作詞作曲も行っています。
曲中にはサカバンバスピスの絵描き歌なども入っており、幅広い世代に人気となったのです。
また、人気コミック『おでかけ子ザメ』のアニメ化作品の中でも「子ザメとサカバンバスピス」というイラストが発表されています。
サカバンバスピス絶滅の経緯
サカバンバスピスは顎がない「無顎類」に分類されます。
咀嚼ができないので、口からプランクトンなどを吸い込み、そこから栄養を摂取していたと考えられています。
体は硬く防御力があったようですが、泳ぎは得意ではありませんでした。
そのため進化の過程で顎を獲得した「顎口類」に捕食されてしまい、絶滅したと考えられています。
この時期の大量捕食により、サカバンバスピスだけでなくほとんどの無顎類が絶滅してしまいました。
現在ではネットミーム的存在として愛されていますが、サカバンバスピスは生物研究の上で大変重要な存在であると言われているのです。
先述したように、サカバンバスピスは原始的な脊椎動物です。
そして人類も脊椎動物です。
専門家からは、人類を含んだ脊椎動物の進化を解明する、重要な生物になるかもしれないとの見解が示されています。