ハモるの意味とは?
ハモるの意味とは
ハモるとは、ある音に違う音を付け加えて美しい和音を作るという意味で使用される言葉です。
実際の歌の場面では、1人の人が主なメロディーを歌い、それに対して他の人がそれよりも高いまたは低い音程を付け加えるという方法です。
美しく響く和音で歌う時のみを「ハモる」「ハモっている」と言います。名詞として使う場合は「ハモリ」となります。
ハモるの元ネタと語源
ハモるの「ハモ」は英語の「harmony(ハーモニー)」を略したものです。
harmonyには「一致、調和」などの意味があります。
「ハーモニーを作る」というもともとの言葉が省略され、「ハモる」へと変化しました。
この「ハモる」という言葉は、1950年代にはすでに存在していたようです。
その頃はまだあまり馴染みのない言葉でしたが、その後のカラオケブームに伴い、徐々に人々の中に広まっていきました。
ハモるの類義語
ハモると似たような意味で、「合唱」という言葉があります。合唱は「コーラス」とも呼ばれています。
音を重ねて歌うという意味では「ハモる」も「合唱」も似ています。
しかし「ハモる」が同じリズムと歌詞で和音を作るのに対し、合唱(コーラス)はリズムや歌詞が違う場合があります。
小学校や中学校の授業でやっていた合唱を思い浮かべると分かりやすいかと思います。
女性パートがメロディーを歌っている時に男性パートが「Uh」や「Ah」などで違うメロディーを歌ったり、メロディーを追いかけたりする作りになっているものもあります。
ハモネプの流行
「ハモネプ」とは、2001年から放送されていたテレビ番組「力の限りゴーゴゴー!!」の中で人気となったコーナーです。
ハモるの「ハモ」と当時司会を務めていたお笑いタレント、ネプチューンの「ネプ」を合わせて「ハモネプ」というコーナータイトルが付けられました。
ハモネプは楽器を使わずにアカペラでバンドのようなパフォーマンスを行います。メロディーやコーラスだけでなく、ベースやドラムなどの音まで声で表現するのです。
主に高校生が中心となってグループを結成し、中には歌手デビューした人もいたほど注目されていました。
「ハモる」という言葉が若い世代にまで浸透していくきっかけとなった番組と言えます。
ハモる和音とハモらない和音
同じ和音でも、「ハモる和音」と「ハモらない和音」が存在します。
「ハモる和音」を音楽用語で「協和音」、「ハモらない和音」を「不協和音」と言います。
協和音は「ドミソ」や「ドファラ」「シレソ」など人間の耳に心地よく響く和音のことです。
協和音の中にも「完全協和音」「不完全協和音」の2種類が存在します。
一方不協和音は人間の耳に心地よく響かない和音のことです。
「ドレ」や「ファソ」など隣り合った音同士がこの例です。この不協和音の場合、和音を作っていたとしても「ハモる」とは表現しません。
会話の中でハモる場合
「ハモる」はもともと歌や音楽に対して使用する言葉でしたが、近年では違う使用方法も浸透してきています。
例えばAさんが何か言ったことに対してBさんとCさんが「なるほどね」と全く同じ相槌を打つとします。
このように数人の人が同時に同じ言葉を発した時も、「ハモる」と表現するのです。
音楽ではなく会話の中で「ハモる」現象は、お互いがタイミングを合わせたわけではなく偶然に発生した場合に起こります。
ハモるの使用例
最後に「ハモる」の使用例をご紹介していきます。
使用例1.「女声パートだけでうまくハモる練習をした。」
ソプラノとアルトなど、同声のパートだけでもうまくハモることができれば曲の雰囲気に広がりが出ます。
聴く人の耳にも歌う人の耳にも心地よく響くようになるまで、何度も練習を重ねることが大切です。
使用例2.「あのバンドはサウンドはいいがハモリは微妙だ。」
どんなにバンドがよい演奏をしても、メインボーカルに対するハモリが微妙だと心地よい音に聞こえません。むしろ時には邪魔だと感じてしまうこともあります。
メインボーカルの声にばかり注目してしまいがちですが、ハモリに注目して聞いてみるのも面白いかも知れません。
使用例3.「双子だと他の人とよりうまくハモれる。」
声の質が似ている人同士はハモリやすいと言われています。例えば双子や兄弟姉妹、親子などです。
カラオケなどで他人とうまくハモりたいと思う場合は、もともとの声質が似ている相手を選ぶのが良いでしょう。