同人誌とはどういう意味?漫画との違いやサークル・イベントなど
同人誌の意味
同人誌とは、アニメや漫画、ゲームなどの二次創作作品を自主制作した自費出版物のことです。
主にイベントやオンラインで販売されます。
同人誌の作者は原作のキャラクターや世界観を自分なりの解釈で再構築したり、オリジナルのストーリーを制作します。
ファン同士の交流や創作活動の場として大切にされており、多くの人々が同人誌を作ったり読んだりしています。
かつては冊子が主流でしたが、近年では電子媒体も多くなってきています。
時にはプロの漫画家が趣味として同人誌を出すこともあるようです。
同人誌の由来と語源
同人誌の語源は夏目漱石の小説「草枕」であると言われています。
この小説の中で主人公が、今で言う「同人誌」を作るための仲間を「同人」と読んでいました。
この小説は1906年に発表され、それ以降「同人誌」という言葉が世の中に広まっていったようです。
もともとは文学サークルや文学雑誌などを自主制作することを意味していましたが、やがてアニメや漫画などの自費出版物も「同人誌」と呼ばれるようになりました。
同人誌の類義語
類義語① ファンジン
ファンジンとは、ファンが自主制作した雑誌や冊子のことです。
「ファンがファンのために発行する非公式の出版物」を意味しています。
同人誌と同じように、二次創作作品やオリジナル作品が掲載されます。
アニメや漫画、ゲームに限らず音楽などのジャンルでも「ファンジン」が発行されているようです。
類義語② 同人作品
同人作品とは、原作がある作品を基にした二次創作作品のことです。
「同人作品」には同人誌だけでなく同人アニメ、同人ゲームなども含まれるため、同人誌よりも幅広い意味があります。
類義語③ 薄い本
薄い本とは、いわゆる同人誌を指す俗語です。
特に成人向けの二次創作同人誌のことを指し、高価な割にページ数が少ないことから「薄い本」と呼ばれるようになりました。
この言葉がが広く使われるようになったのは2000年以降だと言われています。
漫画との違い
出版社があるかないか
先述したように、同人誌とは個人やサークルなどが自費で出版する雑誌のことです。
そのため全国の書店やインターネット書店などでは流通していません。
特定の人を対象とした出版物であることが多く、広く読まれることは少ないのです。
一方「漫画」は出版社などを通して販売されます。
そのため書店やインターネット書店で販売が可能です。
これらの書籍は「商業誌」と呼ばれ、作者は宣伝費などの経費負担がありません。
しかし漫画は会社を通して出版されるため、編集やアイディアなどに制限がかかることもあります。
同人誌の方が自由度が高いと言っても過言ではないのです。
製本の方法
同人誌はページ数が少ない場合、「中綴じ」で製本されます。
中綴じとは見開きの状態で紙を重ねていき、真ん中をホチキスで止める方法です。
ページ数が多い場合は「無線綴じ」で製本されます。
無線綴じとは糸やホチキスを使わず、本の背に糊を付け固定する方法です。
無線綴じの方がコストを抑えることができ、大量生産に向いています。
一方漫画はほとんどの場合中綴じを使わず無線綴じで製本されています。
同人誌のサークルやイベント
同人誌のサークル
同人誌には同じ作品や趣向を持つ人々が共同で制作活動を行うサークルが存在します。
主に同人誌の即売会などで一緒に同人誌を販売することを目的としています。
サークルに参加することで、本来は1人で行う制作活動を協力して行うことができます。
また、即売会の参加費や製本代などをみんなで出し合うこともできるというメリットがあるのです。
同人誌のイベント
同人誌即売会の世界的なイベントが、「コミックマーケット」です。
通称「コミケ」と呼ばれ、夏と冬の毎年2回開催されます。
コミケの始まりは1975年で、出店したのは32サークル、来場者は700人でした。
しかしその後回を増すごとに大規模化され、2013年には59万人の来場者を記録しました。
2019年には45カ国からの外国人参加者も確認されている、まさに世界的な同人誌即売会イベントと言えます。
同人誌のイベントに出店するには?
同人誌のイベントに出店したい場合、ほとんどのイベントがオンライン申込の方法を取っています。
オンライン申し込みが不可能な場合は、申込書の郵送を受け付けているイベントもあります。
また、一般的にイベントの参加には参加費用がかかります。
競争率が高いイベントもありますので、早めに申し込んで準備をしましょう。