アンソロジーの意味とは?
アンソロジーの意味
アンソロジーとはある共通のテーマやジャンルについて、複数の作者の作品や文章を集めた出版物を意味する言葉です。
形式としては1冊の本の中に複数の作品が収められているもので、小説や漫画、詩、エッセイなどがあります。
1つのテーマやジャンルに沿ったものだけでなく、時代や地域などによって作品を集めている場合もあります。
アンソロジーはこちらの一覧にも収録されています。
アンソロジーの由来と語源
アンソロジーの語源は、古代ギリシャ語の「anthologia」です。
anthologiaの前半部分は「anthos(花)」を意味し、後半部分は「logos(集める、コレクションする)」を意味しています。
つまり、もともとアンソロジーとは「様々な花を集めたもの」「花摘み」という意味でした。
そこから転じて、現在は「作品集」という意味として使われています。
アンソロジー形式の出版物は日本にも古くから存在し、『万葉集』や『古今和歌集』など有名な書物も多くあります。
身近なところで言えば、卒業文集もアンソロジーの一種です。
アンソロジーの類義語
類義語① オムニバス
オムニバス(omnibus)は英語で「包括的」「抱き合わせ」という意味です。
海外ではアンソロジーは複数の作者によるもの、オムニバスは同一の作者によるものと明確に分けられているようですが、日本ではほぼ同じ意味として使われています。
類義語② コンピレーション
コンピレーションも「作品集」と訳されることが多い言葉です。
アンソロジーが書籍に関して使われる言葉であるのに対し、コンピレーションは主に音楽作品に関して使われます。
アンソロジーコミックとは?
アンソロジーコミックとは、複数の作家が1つのテーマやジャンルについて寄稿し作られた漫画作品集のことです。
各作家が独立して短編のストーリーを描き、それが1冊の本にまとめられるのが一般的です。
読者は様々な作家のストーリーを1冊で楽しむことができるため、人気を集めています。
また、漫画やアニメ、ゲームなどのタイトルに関するパロディ的な作品集も「アンソロジーコミック」と呼ばれます。
これは原作者本人が描いているわけではなく、どちらかと言えばファンによる非公式の二次創作という要素が強いです。
しかし言葉としては、同人誌ではなく商業的に流通しているものを「アンソロジー」と呼ぶのが正解のようです。
多発する「コレジャナイ問題」
いわゆる「女性向け」のアンソロジーコミックの中には少年漫画などのパロディとして、BLを扱う作品も多く存在します。
その道に詳しい人であれば、「間違って購入する」ということはまずありえません。
しかしアンソロジーコミックは普通に一般書店で販売されていたりするため、原作ファンが間違って購入するという問題が起こっています。
特に多いのが子供やお年寄りです。
原作ファンの子供や孫のために購入しようとするお年寄りがアンソロジーコミックを原作と勘違いし、手に取ってしまうのです。
このような問題を「コレジャナイ問題」と呼んでいます。
アンソロジーの使用例
最後にアンソロジーの使用例を見ていきましょう。
使用例① 友人に勧められたアンソロジーコミックにハマってしまった
アンソロジーコミックは二次創作であることが多いため、人によって好き嫌いがあります。
しかし友人に勧められたアンソロジーコミックを興味本位で読んでしまい、そこから沼に落ちる人もかなり多くいるようです。
使用例② 好きな作者の作品がアンソロジーに収録されていないのは残念だ
こちらは本来の意味のアンソロジーという言葉に対しても使用できます。
自分の好きな作者の作品がアンソロジーに収録されておらず、残念に思う時の使用例です。