無敵の人の意味とは?
無敵の人の意味
無敵の人とは、失うことが何もない人のことを意味するインターネットスラングで、読み方は「むてきのひと」です。
世間的に無敵の人と呼ばれる人は、職・財産・大切な人やものなど失うものがないからこそ罪に問われることに対して恐怖心がなく、犯罪を犯すことに抵抗がないと言われています。
ネットスラングの一覧にも収録されています。
無敵の人の元ネタ
2ちゃんねるの創設者 西村博之氏が自身のブログ内で「無敵の人」と使ったことがきっかけとなって徐々に広まりました。
その投稿内容は以下の通りです。
「逮捕されると、職を失ったり、社会的信用が下がったりします。元々、無職で社会的信用が皆無の人にとっては逮捕というのは、なんのリスクにもならないのですね。(中略)でも、現在はインターネットを使った犯行予告をすることで、警察官を特定の場所に動員したり、飛行機を遅らせたり、警備員を走らせたりするぐらいの発言力が手に入ってしまっているわけです。彼らは、それなりの社会的影響力を行使できる状態にあるのですね。でも、欲望のままに野蛮な行動をする彼らを制限する手段を社会は持っていなかったりするわけです。ちなみに個人的に、こういう人を『無敵の人』と呼んでいたりします。」
この投稿内容を見る限り、最初にこの無敵の人というワードが世に出てからその意味合いに変化がないことが分かります。
この投稿がされたのは2008年頃のことでしたが当時このワードが世間一般的に広まることはなく、2012年に「黒子のバスケ脅迫事件」が世間を騒がせてから徐々に認知されるようになりました。
無敵の人による事件
上述の2012年の「黒子のバスケ脅迫事件」もそうですが、それ以外にも下記のような事件が無敵の人による事件という見解が多々あります。
2008年:秋葉原通り魔事件
2019年:川崎市登戸での無差別殺傷事件
2021年:京王線ジョーカー男事件
2022年:安倍元首相銃撃事件
無敵の人の心理や特徴
ここからは、無敵の人の心理について分析していきます。
心理1.成功者に対する嫉妬
「リレーで一等賞を取りたいから走る練習をしよう」「背が高くなりたいから牛乳をたくさん飲もう」など目標の大小にかかわらず、人は小さい頃から無意識のうちに理想とする自分を実現する努力をするものです。
それは大人になってからも続くものですが、頑張っても報われず理想と現実との差があまりにも大きい時、成功している人に対して嫉妬心を抱きます。
自分との差を見せつけられているように感じて惨めな思いをしたり、「理想とする自分と現実の自分が一致していないと価値がない」とすら思えて、それらの感情が大きくなるにつれていつの間にか無敵の人と呼ばれる状態になっていることがあります。
これは、誰よりも自分に期待していて完璧主義であるからこそ起こりうることと言えます。
心理2.安心できる居場所がこれまでずっとなかった
家族仲はとても良いとは言えなくても普通にコミュニケーションが取れて、衣食住にも不足がなく、学校生活もそれなりに順風満帆だったというように、全てがそこそこ満足できる状態だったという人はなかなかいないものです。
しかし家庭も機能不全で衣食住も足りておらず、日常的に虐待を受けたり家でも外でも否定的な言葉ばかりを浴びせられてきたという人は、生まれてこの方安心できる居場所というものを持った経験がありません。
そうすると自分という存在が全世界から否定されたような気持ちになり、全てに対して「どうでもいい」と投げやりな気持ちを抱き、無敵の人と屋ばれる状態に陥ってしまう可能性が高くなります。
これは決して個人だけの問題ではありません。
このようにきっかけがあれば誰もが無敵の人になる可能性があるからこそ、社会全体で一つ一つの問題に向き合っていかなくてはならないと言えます。
全て嫌になった時の対処方法
ここでは、全て嫌になった時に試したいことをご紹介します。
対処方法1.人と比べない
そもそも自分と他人は全く違う人間です。
同じ条件ではないため比較したくとも比較のしようがありません。
人と比較しているうちは他人の軸で自分の人生を生きていることになってしまうので、まずは人と比較するのをやめ、自分の軸で生きることを意識してみましょう。
対処方法2.誰かに話を聞いてもらう
一人で抱え込まずに誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちは随分と楽になることがあります。
家族や友人など話せる相手が思い浮かばないのであれば、カウンセリングや電話相談などを利用しても良いでしょう。
自身の話を否定せずに聞いてもらいながら、客観的な言葉などをもらうと現状の解決への糸口が掴めるかもしれません。
無敵の人の使い方・例文
最後に、無敵の人という言葉を使った例文を見ていきます。
例文1.「誰しも無敵の人になる可能性があるから、決して他人事ではない。」
ちょっとしたきっかけで誰もが無敵の人になる可能性はあります。
「自分には関係がないこと」と思って過ごすのではなく、一人一人がきちんと関心を持つ必要があると言えます。
例文2.「無敵の人が抱えている問題について社会全体で考えていかなくてはならない。」
無敵の人と呼ばれる状態になる背景には、様々な問題が隠れています。
それらにフォーカスすると社会全体で解決していかなければいけない問題が非常に多いため、社会に属する一人として見過ごさず、問題意識を持って取り組まなければいけません。