インド人を右にの意味とは?
インド人を右にの意味とは
「インド人を右に」とは、ハンドルを右に切るという意味です。
なぜ「インド人を右に」という言葉が全くインド人が関係していない「ハンドルを右に」と言う意味になったのか、解説していきます。
インド人を右にの由来
インド人を右にの由来は1886年から1998年まで発行されていたアーケードゲーム専門雑誌『ゲーメスト』にあります。
1997年4月に発売された『ゲーメスト』の中に、この「インド人を右に」という表記があります。実はこの言葉、元々は手書き原稿で「ハンドルを右に」と書かれたものだったのです。
しかしあまりに字が汚かったため印刷会社が「ハンドル」→「インド人」と読み間違えてそのまま印刷されてしまい、発売に至りました。
印刷から発行まで誰も誤植に気がつかなかったと言うのが何とも不思議なことです。
「インド人を右に」と記載されたのは、『スカッドレース』というゲームの攻略法が書かれたページでした。この偶然の誤植が読者に爆受けし、現在でも語り継がれる誤植となったのです。
難易度の高かった『スカッドレース』
インド人を右にの由来となったアーケードゲーム『スカッドレース』は、カーレースゲームです。
ゲーム初心者にとっては難易度が高いゲームであり、当時あまり流行していなかったようです。
しかも家庭用ゲーム機器やパソコンでのリメイクがされなかったため、アーケードゲームファン以外にはあまり知られていません。
そのため、インターネットなどを通して「インド人を右に」という言葉は知っていても、由来となった『スカッドレース』は知らないという人が多いのです。
元ネタ掲載雑誌について
インド人を右にの元ネタが掲載されている『ゲーメスト』では、他にも様々な誤植が生まれています。
当時すでにワープロやパソコンで原稿を作成する出版社が多かった中、『ゲーメスト』を発行していた新声社では全て手書き原稿が採用されていたのです。
そのため、締切に追われ急いで書いた文字に見間違いが多く、誤植が生まれやすくなったと言われています。
誤植が多いことは『ゲーメスト』の名物になり、中にはこの誤植を楽しみにしているファンもいたほどです。
新声社の倒産と共に『ゲーメスト』も廃刊となってしまいましたが、インターネット上に多くの誤植伝説が残されています。
元ネタ掲載雑誌が高額に?
当時530円で販売されていた『ゲーメスト』ですが、この「インド人を右に」が掲載されている号はホビーショップなどで見てみると実に7倍以上、平均3,800円の値が付いています。
高額を支払っても元ネタ掲載雑誌を手に入れたいと考える人が多く、かなり品薄な商品となっているようです。
その他にも『ゲーメスト』はプレミア価格が付いている号がいくつかあり、中には3万円近くになっているものもあります。
インド人を右にから派生した誤植
2018年、「インド人を右に」から派生した新たな誤植が生まれました。
職場の車を汚れた手で運転した人がいたため「ハンドルをキレイに」と書いてメモを貼っておいた結果、メモを読んだ人が「インド人をキレイに」と読み間違えたことがTwitter上で報告されました。
Twitter上ではゲーメストの再来と話題になり、当時を懐かしがる声がたくさん寄せられました。
インド人を右にと同様に人気の誤植
最後に「インド人を右に」と同様に『ゲーメスト』上で起こった有名な誤植をご紹介していきます。
誤植1.ザンギュラ、スパーウリアッ上
こちらは「インド人を右に」と同様に『ゲーメスト』の誤植として伝説に残るものです。
「ザンギュラ」は『ストリートファイター2 ダッシュターボ』に出てくるキャラクター「ザンギエフ」のことです。「スパーウリアッ上」はザンギエフの技である「スーパーラリアット」を意味しています。
「インド人を右に」と同じく、手書き原稿を印刷会社が読み間違えたために起こった誤植であるとされています。
誤植2.確かみてみろ!
「確かみてみろ!」は「インド人を右に」「スーパーウリアッ上」とともに『ゲーメスト史上三大誤植』と言われる誤植です。
『RYU-FINAL』という漫画の最終回、主要人物の最後のセリフで起こった誤植です。
もともとは「確かめてみろ!」というセリフだったようですが、こちらも読み間違いにより「確かみてみろ!」となってしまいました。
せっかくの最終回、このセリフのせいで感動が大なしになったと話題になりました。
誤植3.しゃがみ大パンツ
こちらも話題になった『ゲーメスト』上の誤植です。
格闘技ゲームの攻略法を説明する文中、「しゃがみ大パンチ」と記載したかったところ「しゃがみ大パンツ」となってしまいました。
同じ文中の他の言葉は全て「パンチ」と表記されていることから、この部分だけに偶然起こった誤植だと考えられています。
いずれにしても当時の『ゲーメスト』編集者がどれだけ締切に追われ、急いで原稿を書いていたのかがよく分かる誤植です。