既出(きしゅつ・がいしゅつ)の意味とは?
既出の意味
既出の意味1(本来の意味)
既出(本当の意味)とは、見た漢字のまま「既に出ていること」「もう既に掲示されていること」を表します。
以前より議論が行われていたことに対して「何度も繰り返されている議論ではあるが」という意味で使われることもあります。
既出の意味2(ネットスラング)
既出(ネットスラング)とは、本来の「既出」と同様の意味のネットスラングですが、読み方が異なります。
ネット上で読み方を間違えて使われたところから定着していった言葉です。
読み方については以下に解説します。
既出の読み方
「既出」の正しい読み方は「きしゅつ」です。
「既」の読み方には「すで」という音読みと「き」という訓読みがあり、「既出」同様に訓読みを用いた言葉には「既婚」「既往歴」「既製品」などが挙げられます。
いずれも「すでに~している」という意味を含んだ熟語です。
一方でネットスラングでは「既出」は「がいしゅつ」と読みます。
既出の「既」を「概」と誤読したところから広まった読み方です。
既出の元ネタ・由来
本来の意味の「既出(きしゅつ)」は漢字そのままの「既に出ている」が語源です。
過去に既に示された情報や話題を指します。
対して「既出(がいしゅつ)」は、巨大掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のスレッドにおいてユーザーが「既出」を「がいしゅつ」と読み間違え「がいしゅつだったらすみません。」と書き込んだのが始まりと言われています。
それ以降そのスレッドで「がいしゅつ」という読み方がネタとして頻繁に使われるようになり、そこから他のスレッドにも波及していきました。
わざと読み間違えたまま使用し、「がいしゅつ(←なぜか変換できない)」と表記するのが定番です。
それに対し「既出(きしゅつ)な」などと突っ込みを入れることは無用とされています。
似たような使われ方をする言葉に「巣窟」「雰囲気」があり、「すくつ(←なぜか変換できない)」や「ふいんき(←なぜか変換できない)」と敢えて誤用する面白ネタとして知られています。
いずれも使う場を間違えると「漢字の読めない人」と思われてしまうため、使用には注意が必要です。
既出の発祥はいつ頃?
本来の読み方である「既出(きしゅつ)」は昔から一般的に使われていた言葉であるため、こちらでは「既出(がいしゅつ)」の発祥についてご説明します。
上の項目で触れたように2ちゃんねるのスレッドで初めて「がいしゅつだったらすみません。」と書き込まれたのは2000年7月6日です。
そこから徐々に広まっていき、2000年代前半には2ちゃんねるの複数のスレッドで「がいしゅつ」という言葉が使用されるようになりました。
既出の使い方・使用例
こちらでは、一般的な読み方の「既出(きしゅつ)」とネットスラングの「既出(がいしゅつ)」の双方の使い方について、それぞれ例文を用いながら詳しく解説していきます。
例文1.『既出のアイデアばかりで、会議がなかなか進まない。』
こちらは本来の読み方である既出(きしゅつ)を用いた例文です。
初めて掲示されたものではなく、既に示されたもの、既に発表されたものという意味で使われています。
「既出ですが、再度ご確認下さい」のように繰り返しの表現として強調する場合や、「既出でしたら申し訳ありません」「こちらの質問は既出でしょうか?」など相手への確認として使用される場合もあります。
例文2.『その話題はとっくにがいしゅつ(←なぜか変換できない)だからググれ。』
既に議論された話題に対して誰かが「それってどういうこと?」「どういう意味?」などと質問した際に、この例文のように返されることがあります。
「既に出ている内容なので自分で検索して調べて」という意味です。
こちらも意味・使い方としては本来の「既出(きしゅつ)」と同様ですが、敢えて「がいしゅつ」と表すことでネットスラングで遊んでいる形となります。
この表記に対して「正しい読み方はきしゅつだよ!」などと指摘することはナンセンスとされています。
ただし、時と場合によっては単なる読み間違いと勘違いされてしまうのでTPOに注意しましょう。
既出の類語
既出には似たような意味の言葉が複数あります。
ここからは既出の類語に付いて解説していきます。
前述
読んで字の如く「前(先)に述べたこと」を指します。
既に出ているという意味の既出と同様の意味です。
使い方も既出とほぼ同じで、「前述の理由により今回は遠慮致します」「この件に関しましては前述の通りですので、ご確認下さい」など先に述べたことを示したり強調する際に使用します。
既存
こちらも漢字の通り「既に存在すること」を指します。
ちなみに正しい読み方は「きぞん」ではなく「きそん」です。
既存は既出と似た言葉ですが、使い方や意味には若干の違いがあります。
既出が事柄に対して使用されるのに対し、既存は事物に対して使用されます。
既出は実態のないもの(議論においての発言)などにも使われますが、既存は実在するものに使われることが多いのです。
似ている言葉ではありますが、その使用には注意が必要です。
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