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嫌儲の意味とは?

(公開日: 2022年4月25日)

目次

嫌儲の意味

嫌儲とは、ネット掲示板2チャンネルの書き込みを転用しお金を儲けることを嫌うことや、お金儲けに関連した活動などを嫌う人のことを意味する言葉です。

誰かを批判する際に使われることがほとんどです。

嫌儲の読み方

嫌儲はネット上で誕生したこともあり、読み方が一つに定まっていません。

そのため「けんもう」「けんちょ」「いやもう」「いやちょ」「いやんもう」など様々な読み方が存在していますが、最近では「けんもう」と読む人の方が増えてきているようです。

嫌儲の語源・由来

嫌儲という言葉が生まれるきっかけとなったのは、2チャンネルの書き込みがブログに無断で転載されお金儲けに利用されたことでした。

お金儲けに利用されていることが発覚してから一部ユーザーはこれに対して猛反発し、「嫌儲板(嫌儲の人が立てたスレッド)」を立て数々のブログを閉鎖に追い込みました。

また、この「嫌儲」という言葉は「嫌韓」をもじってできた言葉だと言われています。

嫌儲の発祥はいつ頃?

「嫌儲」が生まれた具体的な時期は明らかではありません。

しかし、2006年5月末頃から2チャンネルの書き込みをまとめた「VIP系ブログ」が次々と炎上し閉鎖し、2007年末から利益目的の転載を一切禁止にした「ニュース速報(嫌儲)板」というスレッドができ、2008年には自由国民社から発行されている用語辞典「現代用語の基礎知識2008」の「ウェブのことば」に「嫌儲」が記載されました。

これらのことから、少なくとも2006年~2007年の間に「嫌儲」という言葉は生まれたと推測できます。

嫌儲の類語・派生語・関連語

毛嫌い(けぎらい)

特に理由がないのに一方的に嫌うこと。

嫌厭(けんえん)

嫌がること。

ケンモメン

嫌儲の考えを持っていて、ネット掲示板「2ちゃんねる」の「ニュース速報(嫌儲)板」を利用している人のこと。特に男性のことを言う。

嫌儲民(けんもうみん)

嫌儲の考えを持っている人や集団のこと。

嫌儲厨(けんもうちゅう)

自身の発言が広告収入を得ることができるサイト内で引用されるのを嫌う人のこと。

アフィカス

ネット上で情報発信をすると同時に広告などを通して利益を得る人のこと。蔑称の一種。

嫌儲の使い方・使用例

ここでは、嫌儲を使った例文をいくつかご紹介します。

例文1.『以前と比べると最近では嫌儲の風潮もなくなってきた。』

時代が進むにつれ、著作権の存在や引用する時のルールなどが周知されるようになりました。

そのため、「嫌儲」という言葉が生まれた当時と比較すると、現在はこのような考えを持つ人も少なくなりました。

例文2.『どんなジャンルにおいても嫌儲的な意見を持つ人はいるものだ。』

「嫌儲」は元々無断転載によって利益を得ることを意味する言葉でしたが、最近では何かをしてお金儲けをしていることを許容できないという意味合いで捉えられつつあります。

しかし例文のように、どのような場面でも嫌儲的意見を持つ人はいるものなのであまり気にしないようにしましょう。

例文3.『「嫌儲」の読み方でいつも迷う。』

先ほどもご紹介した通り、「嫌儲」という言葉には様々な読み方があります。

滅多に使うことのない言葉かもしれませんが、教養の一つとして読み方と意味をきちんと押さえておきましょう。

嫌儲を使用する際の注意点

「嫌儲」という言葉は、最近では単に「お金儲けをしている人を嫌うこと」を意味する言葉として解釈されつつあります。

そのため、お金儲けしている人を嫌う=経済的・社会的弱者という差別的なニュアンスが含まれるようになりました。

言葉の意味は時代と共に変わるものですが、意味をきちんと知らないまま使ってしまうと相手を侮蔑してしまいかねません。

このような意味合いがあることも知った上で、使用するのであれば誤解のないように使いましょう。

嫌儲な人の種類

嫌儲と一口に言っても、実は以下の3つの種類の考えの人が存在します。

  1. 提供している製品の品質などに対して懸念を抱いている人

  2. 他者が利益を上げ金銭を得ていることが気に食わない人

  3. 金銭の支払いをせずに無料で商品が欲しい人

1のタイプの人の場合は、取り扱われている製品が品質的にも問題のないものなのか否かについて純粋に疑問を抱いていることが多いです。これは、一般の消費者の視点から考えてみても理解ができるものと言えるでしょう。

ただし、2と3のタイプの人に関しては単純にお金を儲けていること自体が悪いことだと思っていたり、お金を払うことなく得をしたいと考えていることがほとんど。そのため利益を得ている人に対して批判をすることも多いです。世間一般的には、嫌儲といえば2や3のタイプの人の印象が強いと言っても過言ではありません。

嫌儲と判断される行為

基本的には、嫌儲の考えに賛同できない人を排除しようとする行為全般が「嫌儲」と判断されます。

過去に実際にあった出来事を例として取り上げると、嫌儲の考えに賛同しない他のネット掲示板で荒らし行為をしたりウェブサイトの運営者の個人情報の特定・漏洩をした上で閉鎖させるなどがその行為に当たります。

掲示板などで実際に嫌儲の考えを書き込むことはもちろん、これらの行動を起こしてしまった時点でそれは嫌儲であると判断して良いでしょう。

嫌儲の心理

金銭的利益を上げている人のことを極端に嫌う心理現象のことを、「嫌儲バイアス」と言うことがあります。ここでは、その嫌儲バイアスについて簡単に見ていきます。

金銭忌避

金銭忌避(きんせんきひ)とは、金融心理学者であるブラッド・クロンツ氏によって提唱された琴線に関する価値観を表す「マネースクリプト」の内の一つです。

「お金は悪いもの」「お金は汚いもの」「慎ましく生きることが人間として正しい」などの考えから、お金に対して極端に悪いイメージを持っている人の心理状態のことを「金銭忌避」と言います。

この思考が強いとお金を儲けている人に対しても悪い印象を持ってしまいがち。その結果、嫌儲に繋がると考えられています。

嫉妬

単純に、嫉妬心から嫌儲の思考に走ってしまう人も存在します。

人は潜在的に他者よりも立場が上でありたいと考えてしまう性質があります。仕事や能力など様々な分野においてその意識が働いてしまうことが多いですが、その一つに金銭があります。

先にもご紹介した金銭忌避に似ていますが、自分よりも相手の方が金銭を得ているという事実を受け入れられなかった場合、「お金は汚い=お金を儲けている相手は汚い=自分は相手に負けているわけではない」と理由をつけ、嫌儲の思考を持ってしまうことも。

自身の理想と現実のギャップが激しいほど、この思考が強まってしまう可能性は高いと考えて良いでしょう。

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