メタ発言(めたはつげん)の意味とは?
メタ発言の意味
メタ発言とは、フィクション作品内で登場人物が作者・読者にしか分からない裏事情・知識について作中で言及することを意味する言葉で、読み方は「めたはつげん」です。
元々はネット用語として使われていました。
ネットスラングの一覧にも収録されています。
メタ発言の語源・由来
メタ発言という言葉は、「メタフィクション」がその語源となっています。
「メタフィクション」という言葉も、「超える」「高次の」を意味するギリシア語"meta"と「作り話」「戯作」を意味する"fiction"が組み合わさってできています。
この「メタ」という言葉が使われた用語は、「メタ発言」の他にも近年いくつか誕生しています。
メタ発言以外の「メタ」がつく言葉
ここからは、「メタ発言」のように「メタ」がつく言葉をいくつかご紹介していきます。
メタい
「メタい」は「メタ発言」とほとんど同じ意味で、登場人物が読者目線の発言をしたり裏事情について言及するという意味の言葉です。
動画投稿サイトではよくこの「メタい」がコメントとして残されています。
メタ推理
メタ推理とは、推理小説・推理ゲームなどで作中の登場人物が知り得ない情報を駆使して推理を進めることを意味する言葉です。
パーティゲームの「人狼ゲーム」が流行したことから、このような言葉が使われるようになりました。
メタメッセージ
メタメッセージとは社会学用語の一つで、とあるメッセージが本来の意味とは別の意味を伝えるという意味合いの言葉です。
もちろん、発信者側がどのような声のトーン・表情・身振り手振りで発言したか、どのようなシチュエーションだったかなどにも左右されるので、総合的な判断の元きちんとその言葉の意味を見極める必要があります。
有名なメタ発言の例
ここからは、メタ発言として有名なものをいくつかご紹介していきます。
テレビドラマ「古畑任三郎」
フジテレビ系列で放送されていたテレビドラマ「古畑任三郎」シリーズも、メタ発言の代表例と言えます。
ドラマ内では度々場面が暗転し、スポットライトを浴びた刑事 古畑任三郎が視聴者に向けてドラマ内の事件内容について話すシーンが必ずありました。
視聴者に向けた事件解決ポイントの解説シーンや、視聴者からのお便りを読むシーンなどは、まさしくメタ発言の一つと言えます。
漫画「ドラえもん」
国民的漫画作品として今もなお絶大の人気を誇る「ドラえもん」ですが、漫画作品の中では度々メタ発言が見られるとして話題を呼んでいます。
「このマンガ6ページしかないから。いそがなくちゃ。」「お説教なんておもしろいもんじゃないからね。長ながやると、このマンガの人気がおちる。」など、視聴者や作者にしか分からないようなことを言及する場面が多く描かれています。
映画「ドラえもん のび太と銀河超特急」の中でもスネ夫が「のび太って映画になると急にカッコイイこと言うんだから。」といった発言をしており、最近では漫画以外のドラえもんシリーズでもこのようなメタ発言が見られると言えます。
漫画「銀魂」
大人気少年漫画「銀魂」でも、漫画やアニメ内でメタ発言がよく見られます。
漫画作品内では銀魂実写化にあたっての出演者について言及するシーンや、「漫画家にとって一ページはスゲー長いんだぞ。」などのセリフが主人公に充てられているなど、現実とフィクションの垣根を超えていることが多々あります。
その傾向は漫画だけでなく、アニメや映画作品の中でも登場人物が知り得ないパロディや時事ネタがよく扱われるので、視聴者の間でもよく話題になっています。
メタ発言の効果
メタ発言は現実とフィクションとの境界線をあえて曖昧にすることで、視聴者・読者に新鮮味を感じさせる効果があります。
うまく取り入れたらその作品に少しギャグの要素を入れることもできますが、視聴者・読者を興ざめさせてしまうことにもなりかねないので、使うタイミングはとても難しいと言えます。
メタ発言の例文と使い方
ここからは、「メタ発言」という言葉を使った例文を通してその使い方をチェックしていきます。
例文1.『あの作品はメタ発言がとても多い。』
作品内の登場人物が作者・読者・視聴者にしか分かり得ないことについて度々言及している場合、その作品はメタ発言が多いとしてこの例文のように言い表すことができます。
例文2.『先週発売された漫画の中で、主人公が次回伏線回収をするとメタ発言をしていた。』
アニメ・ドラマ・漫画などの作品は、必ずしもいつも一話完結であるとは限りません。
次回まで結末を持ち越す場合もあり、中には例文のように作品内で登場人物がメタ発言をすることもあるので、きちんと意味を押さえておきましょう。