SAN値(サンチ)の意味とは?
SAN値(サンチ)の意味
SAN値とは、「正気度」や「精神力」を表す値を意味する言葉で、読み方は「さんち」です。
精神HP(ヒットポイント)として、架空の神話がモチーフのホラーTRPG「クトゥルフ神話」に登場します。
最近では、自身の精神状態の上げ下げを表すインターネットスラングとして、日常でも使われています。
SAN値(サンチ)の元ネタ・由来
SAN値のSANは「正気」「思想の健全さ」「穏健」などを意味する "Sanity" という英単語が語源となっていて、その "Sanity" に値(ポイント)を付け加えたものが「SAN値」です。
SAN値は先述したように、「クトゥルフ神話」が題材となった「クトゥルフの呼び声」というホラーTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)に登場する精神HPが元ネタとされています。
このゲームのプレイヤー(探索者)が精神的ダメージにどれだけ耐えられ、理性を保てるのかを表した数値がSAN値です。
「クトゥルフの呼び声」はアメリカのゲーム社「ケイオシアム社」が1981年に発売、日本では1986年の第2版から扱われるようになりました。
日本語版における正式名称は「正気度」ですが、日本でも「SAN値」で定着しています。
SAN値が高い=正気度が高いということです。
ゲーム内で精神的ダメージ・ショックを受ける事柄に遭遇する度にSAN値は徐々に減少していき、その減少によって狂気を引き起こすとされています。
SAN値が下がれば下がるほど更なる狂気に陥りやすくなり抜け出せなくなる…という悪循環を抱えてしまうゲームです。
「SAN値が一度に5ポイント以上減少する」「アイデアロールに成功してしまう」という条件下で「一時的狂気」(短期間の狂気)に、SAN値が一定時間内に大幅に(5分の1以上)減少した場合には長期に渡る「不定の狂気」に陥ります。
SAN値0となってしまった場合は「永久的狂気」となり回復不能・治療不可能な状態に陥る…つまりは事実上のリタイヤ、ゲームオーバーとなってしまいます。
またSAN値という言葉は、同じくクトゥルフ神話を題材としたライトノベルが原作のアニメ「這いよれ!ニャル子さん」シリーズにもオープニング曲の歌詞やキャラクターの台詞として登場。
そのため、「クトゥルフの呼び声」自体はプレイしない、知らないという方でも、アニメファンであればお馴染みかもしれません。
昨今ではゲームやアニメに留まらず、日常会話でも使用されるようになりました。
現実社会において酷く落ち込んでしまう事案、とても冷静さを保ってはいられないような出来事があった時などに、「俺のSAN値がゴリゴリ削られてしまった…」などと表現するのです。
SAN値(サンチ)の使い方・使用例
SAN値という言葉の使い方について、例文を用いながら見ていきましょう。
例文1.『今SAN値がかなり少ないから、もうすぐゲームオーバーになるかも…。』
こちらは本来の使い方と言えます。
ゲーム内で度重なる精神的ダメージを受けることによってSAN値がどんどん減少していくと、当然ゲームオーバーも現実的となってきます。
そんな時にこのような使い方をします。
例文2.『今日、スマホの画面が割れた上に授業に遅刻したわ。俺のSAN値が大幅に減ってしまった。』
こちらの文は日常会話として使用されている例です。
日常生活において嫌なこと、激しく落ち込んでしまうことなどが重なった際に、本家の使い方と同様「精神がもたない」「冷静さを失ってしまった」という意味で使われています。
このように、SAN値という言葉を用いることで日々のストレスレベルを表す人もいます。
「現段階でSAN値が90あるから、まだまだいける!」「SAN値が0になったから、もう立ち直れる気がしない」などと、自身のバロメーターとして使用するのです。
SAN値(サンチ)の派生用語
SAN値という言葉から派生し浸透していった用語も複数あります。
ここでは、SAN値の派生用語として有名なものを幾つかご紹介したいと思います。
SAN値ピンチ
SAN値ピンチという言葉は、前述のアニメ「這いよれ!ニャル子さん」シリーズの第二期である「這いよれ!ニャル子さんW」のオープニング曲で登場し、有名になりました。
「恋は渾沌の隷也」というオープニング曲の中に出てくる歌詞に\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!というAA(アスキーアート)を当て嵌めた掛け声が流行。
SAN値ピンチはSAN値が極端に減少してしまいとても正気ではいられない、狂気に陥ってしまいそうな状況を指しており、そのような事態に出くわした際に上のAAを用いながら使用するのが一般的です。
SAN値直葬
SAN値直葬とは、見ることによりSAN値を瞬時に失ってしまいそうな動画や画像などを指した言葉です。
読み方は「さんちちょくそう」で、同音の「産地直送」という言葉になぞらえています。
「見るとSAN値が直ちに葬られてしまう」つまり正気でいられる保証はない、酷く動揺してしまう可能性がある、冷静さを欠いてしまうであろう刺激的な画像や動画に、注意喚起の意を込めてタグ付けされることが多いです。
ネット上では「閲覧注意」と同様の意味で使われています。
しかし、ネタとしての側面が大きいので、画像・動画公開の是非に関しては充分に吟味し注意しなければなりません。
「SAN値」の記事を見た人が挑戦中!