ワークフローの意味とは?持っている役割や似た意味を持つ言葉、メリットや問題点なども併せて解説!
ワークフローの意味とは?
ワークフローとは、業務の流れを意味する言葉です。
特定の業務に関して、それに着手してから終えるまでの一連の手続きのことをワークフローと言います。
たとえば自分だけで作る書類に関しては、資料等を集めてから書類を作成し、完成させるまでがワークフローとなるでしょう。
また、個人だけではなく他者が関わる業務もワークフローが存在しています。
たとえば経費精算であれば、自分が書類を作成して領収書を添付し、経理などに提出した後で問題なく承認されるまでが一連のワークフローとなります。
こういったワークフローを事前に明確にしておくことで、日常的な業務などは誰でも簡単にミスなく行うことができるようになります。
ワークフローはこちらにも収録されています。
ワークフローシステムが持つ役割
ワークフローが持つ役割は、主に2つです。
ムダな作業を削減できる
ワークフローを明確にしておくことで、ムダな作業を削減することができます。
たとえば業務内容を理解していない人が経費精算をしようとする場合、多くのミスが生まれます。
領収書を添付せずに経理に申請することもあれば、レシートでも良いのにわざわざ領収書をもらってしまうこともあるでしょう。
あるいは、経理部の人ではありながらも社内精算業務の担当ではない人に書類を渡してしまい、混乱させる恐れもあります。
一方、ワークフローがしっかりしていれば、「経費精算のためにはこういった書類が必要」や「〇日までに〇〇さんあるいは△△さんに持って行く」という必須の行動が明確になります。
その結果、ミスやムダな作業を大幅に削減することができるのです。
問題点を客観的に評価できる
多くの人が業務を行っていると「前の人から聞いたからこの方法で行っている」や「なんとなくムダだと思うけど、周りがやってるから自分もやってる」のように、思考停止状態になってしまうこともあります。
一方、ワークフローがあれば業務内容が明確になります。
その結果、ミスが減るだけではなく、問題点を客観的に評価することもできるようになるのです。
たとえば「よく考えたらこの書類は作成するけど、手間がかからない違う書類に代用することができる」や「業務の承認を〇〇さんだけに頼んでいたから〇〇さんが不在の日は大変だったけど、△△さんや■■さんに頼んでも問題ない」のように、改善点が見えてくるでしょう。
このように、今までの業務を改めて評価することができるのも、ワークフローのメリットの一つです。
ワークフローと似た意味を持つ言葉
ワークフローと似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
フローチャート
ワークフローとは、一連の業務の最初から最後までの流れを表現したものです。
一方、フローチャートとは、一つの業務だけではなく複数の業務をまとめて図式化したものを意味する言葉です。
たとえば、商品の開発であれば企画から発売まで全てをまとめたのがフローチャートです。
当然ながら、製造の際の細かいプロセスなどもそこには記載されています。
そのため、フローチャートとはワークフローがたくさん集まったものだと認識しても良いでしょう。
業務フロー
業務フローとは、ワークフローと非常に似た意味を持っています。
どちらも業務を構成する手続きや工程など、全てを可視化したものです。
同じ意味で使っている会社も多いですが、厳密には業務フローはワークフローよりもさらに細かい業務に関して使われることが多いようです。
そのため、ワークフローをさらに細分化したものを業務フローだと考えることができます。
業務プロセス
業務プロセスは、フローチャートと同じ意味を持つ言葉です。
すなわち、ワークフローの集合体をフローチャートあるいは業務プロセスと呼ぶことができるのです。
たとえば電話で注文を受けて商品を発送する会社であれば、まずは受注した際に、相手の名前や住所等を聞く、支払い方法を確認する、注文内容を確認するというワークフローがあります。
さらにそこから、社内で発注を流す作業があり、最後に発注する業務があります。
この受注・社内発注・発送といったそれぞれのワークフローが集まったものを商品を受注してから注文者の手元に届けるための業務プロセスと呼びます。
ワークフローシステム導入のメリット
ワークフローシステムを導入する4つのメリットは以下の通りです。
動きが可視化される
ワークフローシステムを導入することで、動きをさらに可視化することが可能になります。
今までのワークフローは手書きや書類のものも多く、作成者あるいは業務に精通している人以外は読み解けないものも少なくはありませんでした。
しかし、ワークフローシステムを導入すれば、より分かりやすくワークフローを周りに伝えることが可能になるのです。
書類作成などが楽になる
ワークフローシステムによっては、その可視化されたワークフローから必要な書類作成のための書式をダウンロードできるものもあります。
そういったシステムを利用することで、従来よりも書類の作成が格段に楽になるでしょう。
従来の紙のままのワークフローであれば「この書式がどこに入っているか探さなければならない」というタスクも発生しかねませんが、ワークフローシステムがあればそういった業務も簡略化可能になるのです。
意思決定が速くなる
ワークフローのシステム上での決裁を可能にすることができれば、意思決定のスピードも高まります。
たとえば以前までは上長の承認を得るために、書類を持って上長を追いかけて印鑑をもらわなければならないこともありました。
また、上長が病欠の際や出張の際や病欠の際には、決裁が不可能なこともありました。
しかしワークフローを導入してオンライン上での決裁を可能にすることで、そうしたタイムロスがなくなり意思決定を速くすることも可能になります。
多様な働き方にも対応可能
また、ワークフローは多様な働き方も可能にします。
オンライン上で決裁ができれば、決裁をもらうためだけに出社する必要がなくなるのです。
以前は経費精算のために経理まで行っていた人も、ワークフローシステムによって自宅からオンラインで経費申請ができるようになるでしょう。
これにより働き方改革にもつながり、従業員の生活の質を向上させることも可能だと言われています。
ワークフローシステムが持つ問題点
ワークフローシステムを導入することによる問題点は2つ考えられます。
ワークフローシステムが複雑になりがち
現在のワークフローをしっかりと整理してからシステム化しないと、ワークフローシステム自体が複雑になってしまう恐れがあります。
たとえば一つの承認を得るために複数の人の決裁が必要になると、システムが複雑になってしまいます。
せっかくシステムを導入しても時間が短縮できないこともあれば「どうせ数人に頼むなら、システム上で待っているだけじゃなくて直接会ってお願いした方が速い」と言われてしまうこともあります。
決裁者がいないと動かないこともある
簡単な申請であればワークフローシステムですぐに終えることもできますが、大きな決断になればなるほど決裁者の承認が重要になってきます。
たとえば数百円の経費精算なら誰でも承認できても、数百万円の取引であれば責任者が目を通して承認させることが必要になってくるでしょう。
そうなると結局、その忙しい責任者が見て許可を出すまでは、システムが動きません。
ワークフローシステムを導入したから全ての業務が速くなるということはないのです。