コアコンピタンスの意味とは?ケイパビリティとの違いや、強み、デメリットも併せて紹介!
コアコンピタンスの意味とは?
コアコンピタンスとは、他の競合企業にはマネすることができないものを生み出す能力を意味する言葉です。
コアコンピタンスを持つことで競合他社に対して競争で優位な立場に立つことができ、市場で強者になることができるでしょう。
元々はG・ハメルおよびC・K・プラハラードの著書「コア・コンピタンス経営」で広められた概念ですが、現在では広くビジネス上に浸透しています。
コアコンピタンスはこちらにも収録されています。
コアコンピタンスとケイパビリティの違い
コアコンピタンスと似た言葉として、ケイパビリティという言葉も知られています。
ケイパビリティとは、能力や手腕、力量という意味を持つ言葉です。
個人的なものよりも企業全体が持つ組織的な手腕、あるいは、組織として他社が持っていない強みというニュアンスを持ちます。
どちらも他社に対する強みという点では同じ意味を持つ言葉ですが、コアコンピタンスはブランド力や、商品・サービスの独自性というように、事業の中の一部を表す言葉です。
一方のケイパビリティは組織的な強みを意味します。
たとえば受注から発送までの期間が、新しいシステムの導入によって他社よりも1日早いといった優位性は、ケイパビリティという表現の方がふさわしいでしょう。
コアコンピタンスの強み
コアコンピタンスを持つ強みは以下の通りです。
他社との差別化に繋がる
他社には真似できない特定の商品やサービスを持つことによって「このサービスを受けたいなら、〇〇社じゃないとダメ!」と、他社との差別化につなげることができます。
それにより特定の商品やサービスに対して興味を持つ顧客を惹きつけ、さらに消費者アンケート等によってさらに顧客満足度を高めていくことが可能になります。
すなわち、一つのコアコンピタンスを持つことで、そこをさらに伸ばすことができ、他社との差別化を繋げて業界の中で優位性を確保することに繋がっていくのです。
固定の顧客を掴みやすくなる
他社には真似できない強みを持つことで、固定の顧客を掴むことが可能になります。
優位性によって獲得した顧客は、めったなことでは他の会社のサービスに目移りしていきません。
「こういう商品がほしいから、絶対に〇〇社から買う」のように、自社の熱狂的なファンになってくれるのです。
そのため、大きな失敗をしない限りは顧客が一気に離れていくリスクもそれほどなく、事業は安定し、さらなる新規事業の開拓などにも挑戦しやすくなるでしょう。
コアコンピタンスのデメリット
コアコンピタンスのデメリットも3つ紹介していきます。
崩れた時に一気に弱い
他社に真似できない商品やサービスを持つことがコアコンピタンスの大きなメリットですが、常に優位性が担保されるわけではありません。
他社がもっと良い商品やサービスを開発することによって、消費者がそちらを求めてしまうこともあるでしょう。
今まで固定の顧客は流れないと安心していた顧客層が、他社のファンになってしまうこともあります。
コアコンピタンスを持つ会社は、ブランドイメージの保持のためなどを理由として、他の強みを磨かないことも少なくはありません。
そのため、今まで優位性の元になっていた商品やサービスが他社に負けてしまうと、それにより一気に企業経営が傾いてしまうリスクもあるのです。
時代に取り残される恐れがある
さらに、一度コアコンピタンスによって顧客を獲得しても、それだけで絶対に安心できるわけではありません。
時代の流れとともに消費者の好みやニーズも異なってくるので、一つのコアコンピタンスにこだわっていることで時代に取り残される恐れもあるのです。
コアコンピタンスを持っているからこそ、市場分析が疎かになってしまい、一度時代に取り残された後は追いつけなくなってしまうケースもあります。
コアコンピタンスの依存度が高ければ高いほど、そのリスクも比例して大きくなっていくでしょう。
人材確保が難しい
特別なスキルによってコアコンピタンスを生み出している場合は、それを生み出し続ける人材の確保が難しくなります。
たとえばバイリンガルによる日本語と英語での観光案内をコアコンピタンスにしている会社の場合、バイリンガルの社員が辞めてしまうことでコアコンピタンスを失ってしまうでしょう。
珍しい能力をコアコンピタンスの源にしていれば、それだけで人材確保が難しくなってしまいます。
その社員が他社に流出するのを防ぐために人件費が高くなってしまうこともあるでしょう。
そういった人材確保の難しさも、コアコンピタンスのデメリットの代表的なものです。