ブレストの意味とは?語源や実践方法、行う際のルールやメリット、デメリットを解説!
ブレストの意味とは?
ブレストとは、数名の人が集まって、一つのテーマに対してアイデアを出し合う行動を意味する言葉です。
もちろんテーマに対するアイデアは一人でも考えて出すことができますが、ブレストを行うことによって複数人とのディスカッション形式になるため、一人で考えるよりも新しいアイデアや改善策が生まれやすいと言われています。
ブレストはこちらにも収録されています。
ブレストの語源
ブレストの語源は、ブレイン・ストーミングです。
ブレイン(brain)は脳、ストーミング(storming)は荒らしという意味を持ちます。
すなわち、頭の中で嵐のように色々な考えを巡らせて、アイデアを出すことを意味する造語です。
以前はブレインストーミングと呼ばれていましたが、長いため現在ではブレストと呼ばれることの方が多い言葉です。
ブレストの実践方法
ブレストを行う際の実際の流れを紹介していきます。
役割を決める
まずは、ブレストの参加者を集めて役割を決めることが大切です。
参加者は数人では意味がないので、議論が散らからない程度に多めの人数を集めるようにしましょう。
また、役割に関しては、司会進行役と、議事録を作るための書記役を決めるだけで問題ありません。
ブレストは多くの意見が出るため、必ず議事録を作成し、アイデアの取りこぼしがないようにしましょう。
その時、手元のノートなどに書くのではなく、ホワイトボードなどを活用することで、参加者が話題を把握しやすくなります。
司会進行役はメンバーに話題を振ったり、時間管理をすることが役割です。
ブレストは参加者の性格によっては議論が脱線することも多々あるので、司会進行役はそれらを適宜コントロールするようにしましょう。
ブレストの課題を明確にする
ブレストを行う際には、どういう目的で行うかを明確にしておくことが大切です。
たとえば「地球環境について話そう」という曖昧なテーマだと「自分が気を付けていること」や「最近見た環境保全対策」などのアイデアなどは出てきますが、新しい意見は出ずに単なる雑談で終わってしまうリスクもあります。
そのため「地球環境」がテーマであれば「明日から自分たちで始められること」や「継続するためにどうすれば良いのか」といったところまで、具体的に課題を明確にし、参加者全員で共有しましょう。
アイデアが尽きるまで続ける
ブレストのために集まったからには、アイデアが出尽くすまで続けることが大切です。
一人では生まれない新たなアイデアを出すことがブレストの目的なので、時間制限などにより中途半端で終わってしまっては意味がありません。
「Aという意見が出たのならBもありでは?」のように、出たアイデアから派生させて、色々なアイデアを出すようにしましょう。
ただし、その際には派生させすぎて元の課題から逸脱しないよう、司会進行役が気を配らなければなりません。
ブレストを行う際のルール
アイデアをたくさん出すことを重視する
ブレスト中は、新しいアイデアをどんどん出していくことが重要です。
「これは初歩的すぎて言うのが恥ずかしい」や「根拠を示せないから自信がない」と思わず、アイデアの量を出すことを重視しましょう。
自分が初歩的と思っていることでも発想できない人もいますし、自分は根拠を出せなくても、根拠を知っている人もいるかもしれません。
そのように気楽にアイデアを出していくことで、ブレストの質も高まります。
アイデアはどんどん組み合わせていく
たくさんのアイデアを出すだけでは、その後の結論を生み出す際に時間がかかってしまいます。
たとえば「ポイ捨てをしないようにする」と「ゴミ箱の位置を覚える」というアイデアが出てきた場合は「ポイ捨てをしないようにゴミ箱がどこにあるか分かりやすい地図を設置する」というアイデアを生み出すことができます。
このようにアイデアを組み合わせて、結論に近づいていくことも大切です。
出たアイデアを否定しない
ブレストは、多くの場合は色々な意見を持つ参加者が集まります。
そのため、中には自分にとって全く理解できないアイデアを出してくる人もいるでしょう。
たとえば「道端にゴミを捨てない」というのは一般常識ですが「地球環境を守るために、明日からポイ捨てをやめる」と、堂々と宣言をする人もいます。
その際に「そんなことを今さら言うの?」や「常識的すぎてアイデアとは言えない」のように、出てきたアイデアを否定しないようにしましょう。
自分にとって間違っていると思えるようなアイデアであっても、ブレスト中に否定してはいけません。
自由にアイデアが出づらくなるので、否定の言葉は控えてください。
ブレスト中に評価を行わない
ブレスト中には、出てきたアイデアの評価を行わないようにしましょう。
ブレスト中に評価を行うと、発言がしづらい雰囲気が生まれてしまいます。
また、評価の高いアイデアに近いアイデアを出そうという意識が働き、自由なアイデアが出なくなってしまいます。
そのため、ブレスト時間中は評価を行わず、アイデアを出すことだけに集中しましょう。
もちろん、司会進行役だけではなく、参加者全員で「評価をしない」という意識を共有することが大切です。
ブレストを行うメリット
一人では出ないアイデアが出る
バックグラウンドが異なる複数名でブレストを行うことで、自分一人では出なかったアイデアが出るのがブレストの大きなメリットです。
一見使えないように思えるようなアイデアでも、そこから新しいアイデアが生まれたり、さらにそこから新しい発想が生まれたりするでしょう。
質の高いアイデアに昇華させやすい
自分以外の価値観を含めてブレストをすることで、結果的に質の高いアイデアに昇華させやすいというメリットもあります。
色々な人の意見を聞けるため、偏ったアイデアにならずに共感を得やすいアイデアが生まれやすいのもブレストのメリットの一つです。
ブレストを行うデメリット
固定観念にとらわれがち
多くの人の前で発言するため、どうしても「失敗したくない」や「恥をかきたくない」、あるいは「変なことを言っていると思われたくない」という意識が働きます。
そのため、ブレスト中に固定観念にとらわれてしまう人も多いのです。
自由な意見が出てこなければブレストを行う意味がないので、そのような雰囲気を消す努力も必要になるでしょう。
誰かの意見を重視しがち
ブレストでは匿名性がなく、大勢の人が一気に発言をします。
そのため、「なんとなく良いアイデアを出す人」や「分かりやすく話す人」、あるいは「役職や地位が明らかに上の人」といった人が勝手にキーパーソンになってしまい、周りがそれに従ってしまう雰囲気も生まれてしまいます。
「この人に従っておけば恥をかかずに済む」や「この人と同じようなことを言えば自分も優秀そうに見える」のように、特定の誰かが無意識のうちにブレストの雰囲気を支配してしまうこともあるので、気を付けてください。