ストレートプレイの意味とは?
ストレートプレイの意味
ストレートプレイとは、歌劇(オペラやミュージカル)以外の台詞劇全般を指した演劇用語です。
ミュージカルを主軸とする劇団・団体において、歌唱やダンスのない台詞劇であると主張するためにこの言葉を用いることが多く、台詞劇主体の団体がその作品群を表す際に、ストレートプレイ作品であることを取り立てて紹介することは少ないと思われます。
略語である「ストプレ」と呼ばれることもあります。
ミュージカルとストレートプレイの違い
ミュージカルとは、台詞の他に歌とダンス、音楽などで構成されている演劇の形式を指す言葉です。
ストーリー説明や登場人物の心情の変化などを台詞の他に歌唱やダンス、舞台演出などを用いて総合的に表現していくことがミュージカルの大きな要素となります。
ストレートプレイの中にも演出として歌やダンス表現を加えた作品もありますが、ミュージカルのように一連で行われることは少ないので、その点が違いであると言えます。
劇団四季におけるストレートプレイ作品
日本ミュージカル界を長年牽引してきた劇団四季は2022年に創立70周年を迎えます。
旗揚げ当初は小劇場のストレートプレイ作品からのスタートしたという歴史があります。
ここからは過去に上演されていたストレートプレイ作品をご紹介します。
ヴェニスの商人
ハムレット
鹿鳴館
ブラックコメディ
恋に落ちたシェイクスピア など
シェイクスピア戯曲や三島由紀夫書き下ろしの作品など、様々な台詞劇が上演されてきました。
劇団四季ストレートプレイ作品の多くは、東京・浜松町にある「自由劇場」で上演されています。
座席数が約500席といった小規模な劇場で、エントランスや館内には日本初の常設劇場「築地小劇場」をイメージした葡萄のモチーフが飾られており、演劇界の歴史も肌で感じることができます。
宝塚歌劇におけるストレートプレイ作品
宝塚歌劇と言えば女性団員だけで構成されており、「男役」「娘役」それぞれが華やかな衣装を身につけ歌い踊る演劇と煌びやかなショーで観客を魅了させている唯一無二の劇団です。
歌劇の印象が強い宝塚歌劇ですが、専科(特定の組に所属していない団員で構成)公演で「パパ・アイ・ラブ・ユー」というコメディ・ストレート作品が上演されたこともあります。
今後もしストレートプレイ作品が上演される場合は、培ってきた高い表現力で劇団の底力が存分に活かされた舞台となることが期待できるでしょう。
ストレートプレイの具体的な使い方
最後に、ストレートプレイの具体的な使い方をご紹介します。
例1.『宝塚退団後初のストレートプレイ作品なので注目が集まっている』
宝塚歌劇は歌とダンスで構成された作品が多いため、劇団に在団中にストレートプレイ作品に参加する機会はあまりないと思われます。
退団後に他の劇団や作品で初めてストレートプレイ作品に出演する俳優は、マスコミやファンの間でも注目される存在です。
例2.『ストレートプレイ作品だが劇中では主人公の歌唱シーンがあるらしい』
ストレートプレイ作品は台詞劇のため、ミュージカルのように歌やダンスを用いてストーリー展開が行われることはありません。
しかし作品(例えば主人公が歌手であるなど)によっては劇中で歌唱が行われることもあるため、その場面がどのような演出となるのか期待している様を表現しています。