生粋の意味とは?
生粋の意味
生粋(きっすい)とは、「他のものが混ざっていないこと」「純粋で優れていること」を意味する言葉です。
生粋は人に対して使用される言葉で、「生粋の〜」という表現をします。
まれに生粋を「なまいき」と読む人がいますがこれは間違いで、「なまいき」には「生意気」という漢字が当てられるのが普通です。
生粋の由来と語源
生粋は「生」と「粋」が組み合わさった言葉です。
「生」には「何も加わってない」という意味が、「粋」にはもともと精米された完璧な姿の米という意味があります。
そこから転じて「他のものが混ざらず純粋であること」という意味で「生粋」という言葉が生まれました。
当初「生粋」は「きすい」と読まれていましたが、現在では「きっすい」と読むのが一般的です。
生粋の類義語
次に、生粋の類義語を見ていきましょう。
類義語①純粋
純粋とは他のものが混ざっていないことをを意味する言葉で、雑念や欲望がないという意味もあります。
主に人の心理状態を表すことが多く、「純粋な心」「純粋な気持ち」という使い方をします。
類義語②生まれながら
生まれながらとは、「生まれつき持っている性質」という意味の言葉です。
生粋とほぼ似た意味の言葉ですが、「生粋」が人に対して使用する言葉であるのに対して「生まれつき」は人に対してだけではなく体や特徴に対しても使用することができ、「生まれながらのくせ毛」などのように使うことができます。
類義語③根っから
根っからとは、「生まれた時から」という意味の言葉です。
先述した「生まれながら」とほとんど同じ意味ですが、「根っから」は「根っからの努力家」「根っからの田舎育ち」などのように人の性格などに対しても使うことができます。
生粋の対義語
生粋には対義語もあります。
対義語①不純
不純とは他の物質が混ざっていて純粋ではないことを意味する言葉で、心が純粋でなく邪心があることを指すこともあります。
「不純な動機」「不純な考え」のように使います。
対義語②擬似
擬似とは「本物に似ているがそうでないもの、本物ではないが本物と見分けがつきにくいもの」を意味する言葉です。
他のものが混ざっていないという意味の「生粋」の対義語であると言うことができます。
生粋の英語表現
「生粋」を英語表記すると、「正真正銘の、純粋な」という意味の形容詞 "genuine" が当てはまります。
"genuine japanese(生粋の日本人)"、"genuine breed(純血種)" という例を見ても分かるように、混じり気がないという意味で使われることが多いです。
また、「生まれつきの、先天的な」という意味の "natural born" も「生粋」の英語表現の一つとして挙げることができます。
"natural born leader(生粋のリーダー気質)"、"natural born worrier(生粋の心配性な性格)" などがその例の一部と言えるでしょう。
生粋のオタクとは?
近年インターネットやSNS上でよく見かける言葉に、「生粋のオタク」という言葉があります。
オタク(御宅)とは、ある分野に対して異常なほどの興味を持つもののそれ以外の人間関係や社会生活に興味を持たない人を表す言葉です。
生粋のオタクとはもともとそのような性質が備わっている人のことを意味し、人生において何かのきっかけでオタクになった人とは区別して使われることがあります。
ただアニメやゲームが好きでのめり込んでいる人のことを「生粋のオタク」とは言わないのです。
生粋の使用例
最後に生粋の使用例を見ていきましょう。
使用例①「彼女は生粋のお嬢様だ。」
裕福な家に生まれ、小さい頃から何不自由なく育った人に対して使用する例です。
努力をしてお金持ちになったり地位を手に入れたりしたのではなく、生まれながらに持っていた女性のことを「生粋のお嬢様」と表現します。
また、上流家庭で育った気品や華やかさも持ち合わせています。
使用例②「あれは生粋の職人にしかできない技だ。」
努力でどうにかなるものではなく、生まれつき持ち合わせたセンスや感で仕事をする人を「生粋の職人」と言い表すことがあります。
もちろん努力もしていますが、それだけではない生まれ持った何かを持っているのです。
その職人技は誰かが真似しようとしても難しいことが多く、「その人だけの生まれ持ったセンス」だと考えられます。