エセの意味とは?
エセの意味
エセとは、見せかけだけで似てはいるが本物ではないことを意味する言葉です。
名詞に付けて使用し、漢字では「似非」「似而非」と書きます。
エセには「つまらない」という意味もあり、物事の質が悪いことを表しています。
エセの由来と語源
もともとエセとは「価値がないもの」「劣っているもの」を表す言葉で、「偽物」という意味としては使われていませんでした。
そこから転じて「悪質なこと」「邪悪なもの」という意味になり、さらに転じて「見せかけだけのもの」「偽物」という意味となりました。
ちなみに漢字の「似非」「似而非」は当て字で、「似て非なるもの」という意味から来ています。
エセとニセの違い
エセに似た言葉として「ニセ(偽)」が挙げられます。
ニセも「本物ではない」という意味で使われることが多いですが、実はそこには少し違ったニュアンスが含まれています。
「エセ」が似ているが本物ではないものであることに対して、「ニセ」は本物のように見せかけて作られているが本物ではないという意味で使用されます。
つまりエセは似せようとする意図はないけれど似ている、ニセは似せようとする意図があって似せているというニュアンスになります。
しかし日常会話の中では混同されていることが多く、どちらも「本物ではない」という意味で使われることが多いです。
エセを使った言葉
ここからは「エセ」という言葉を使った表現について見ていきましょう。
エセを使った言葉①エセ関西弁
よく耳にするのが「エセ関西弁」という言葉です。
エセ関西弁とは、関西の出身者ではない人が話す関西弁のことです。
本人は関西弁を話しているつもりでも、生粋の関西人が聞くとどこか不自然な感じがすることから「見せかけだけの関西弁」という意味合いで使用します。
他にも「エセ◯◯弁」と地方名に付けて使用されることがあります。
エセを使った言葉②エセカップル
エセカップルは「仮面夫婦」と同じ意味で使用されます。
2人の間に愛情がなく冷めてしまっているのに一緒にいるカップルのことや、本当はカップルではないのにカップルであるふりをしている2人のことを指します。
例えばカップルで出席するイベントに参加したいけれど自分には相手がいない場合、誰かに恋人のふりをしてもらってカップルを装い一緒に行ってもらうのは「エセカップル」にあたります。
エセを使った言葉③エセ都会人
本当は地方出身者なのに地方出身だとバレたくないために出身地を隠し都会人のふりをする人のことを「エセ都会人」と呼びます。
エセ都会人は生粋の都会人と違い、「自分が都会人であること」を周囲に強調しがちです。
そのため、エセ都会人は「地方出身なのに都会人ぶる人」を揶揄する意味で使用されることが多い言葉です。
エセの英語表現
エセを英語で表現すると "fake" です。
fakeには「偽造する」「捏造する」という意味の他に「見せかけの」「偽物の」という意味もあるので、エセを英語で表現するのであればぴったりの言葉だと言えます。
また、"false" もエセの英語表現として挙げられます。
"false" は「間違った」「誤った」という意味で使用されることが多いですが、「本物でない」「偽物の」という意味もあります。
エセの使用例
最後にエセの使用例をご紹介します。
使用例①「猫が好きと言いながら犬を飼ってるなんて、エセ猫派だ!」
「猫派」と公言しながら実際には犬を飼っている人に対して使う例です。
このように口では「◯◯」と言っておきながら実際には「□□」だったという場合に「エセ」という言葉を使用することができます。
使用例②「いざという時責任を取らないなんてエセ社長だな。」
「社長」というのは肩書き・名前だけで、いざという時に責任を取らない社長を揶揄する使用例です。
この例文のように、「エセ」は誰かを非難したり揶揄する時にも使われます。
しかし相手や場所を考えずに使ってしまうと相手に嫌な印象を与えてしまうことがあるので注意が必要です。
使用例③「エセ関西弁はイントネーションが違ってイライラする。」
生粋の関西人からすれば、エセ関西弁はイントネーションが違ってかなりイライラするものです。
もともと関西出身ではない人が関西弁を無理に話すと、本人はきちんと関西弁を話しているつもりでも実際には全く違ったイントネーションになっていることが多いです。