忖度の意味とは?間違って使われやすい意味や実際の使い方、類義語や対義語も解説
忖度の意味とは?
忖度とは、他人の気持ちを推しはかるという意味です。
相手の気持ちを考えて、それを考慮した動きを自分なりにする、というのが忖度のそもそもの意味といわれています。
間違いやすい意味
本来の意味は前述の通りですが、現在では忖度は別の意味で使われることが多い言葉です。
最近では気持ちを推しはかるだけではなく、多くの場合は目上の人の意向を察知し、それに沿って目上の人が喜ぶように動くこと、という意味で使われることが多いでしょう。
本来であれば、立場に関係なく周りの人の気持ちを考えて動くといった思いやりのある行動を意味する単語でしたが、最近は「機嫌を損ねないように注意する」や「相手に気に入られるようにこびへつらう」というニュアンスが込められています。
忖度を使う状況
忖度は以下のような状況でよく使われる言葉です。
上司の機嫌を伺う時
最近のニュアンスとしては、上司の機嫌を伺う時に使われることが多いでしょう。
「ちょっと機嫌が悪そうだから忖度しておこう」や「覚えをめでたくしておきたいから、普段から忖度するように心がけよう」という言い方をします。
誰かにお願いをしたい時
本来の意味で忖度という言葉を使う場合は、この使い方をします。
「ちょっとお願いしたいことがあるから、俺に忖度してもらっても良い?」のように言っても誤用ではありません。
ただし、現在では本来の意味で忖度という単語を覚えている人はそれほど多くはありません。
誤解を受ける可能性も高いので注意してください。
忖度の類義語
忖度の類義語に関しても2つ紹介していきます。
斟酌
斟酌とは、先方の事情を汲んであげることを意味する言葉です。
たとえば仲が悪い相手であっても「今は相手が家庭の事情で弱っているから、ちょっときつい言葉を言うのはやめておこう」のように考えることを「斟酌してあげよう」と表現することができます。
そのため、最近使われている忖度と似たような意味を持っていると考えることができるでしょう。
推測
忖度の本来の意味の類義語としては、推測という単語もあります。
これは、物事の状態などを今の情報から推理することを意味する言葉です。
そのため、目の前の人の仕草や表情から、本心を推理する時に使われます。
現在主に使われているよりも、忖度の本来の意味と似た意味を持つ言葉として覚えておきましょう。
忖度の対義語
忖度の対義語に関しても3つ紹介していきます。
独善的
忖度は相手の気持ちを考えて行動することです。
そのため、自分のことしか考えずに自分だけが正しいと考えるような、独善的という言葉は、忖度の対義語であると考えても良いでしょう。
身勝手
自分のことを正しいと思っている場合に限らず、自分のことだけを考えて行動することも、忖度と正反対の意味を持つと考えて良いでしょう。
そのため「身勝手な行動」などは「忖度した行動」と、対極に位置しています。
自己中心的
身勝手と似たような意味で使われますが、自己中心的も忖度の対義語の一つです。
元から自分のことしか考えずに、相手の気持ちなんて全く考えない人のことを「自己中心的な人」というように表現することもあります。
まさに、相手の気持ちを考える忖度とは正反対の意味を持っていると言えます。