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焼き物・陶磁器の種類一覧。産地ごとに特徴も

(公開日: 2023年3月3日)

焼き物・陶磁器の種類一覧

美濃焼(みのやき)

美濃焼は、美濃の東部(現在の岐阜県土岐市・多治見市・瑞浪市などの地域)で生産が始まった焼き物です。古墳時代頃に朝鮮半島から日本に須恵器が伝来しましたが、飛鳥時代の頃になると美濃にこの須恵器の製造が伝わります。それが美濃焼の前進になったと言われていて、現時点で1300年以上の歴史があります。

主な種類として黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部がありますが、細分化すると後11種類存在します。

備前焼(びぜんやき)

備前焼は、岡山県の南東部に位置する備前市で作られるようになりました。

通常焼き物は強度を高め汚れにくくするために「釉薬(ゆうやく)」という薬品を塗り表面をガラスでコーティングしますが、備前焼ではこの釉薬を一切塗らず1200度~1300度の高温で焼き上げるため、硬度が高くなります。絵なども特につけられないシンプルな焼き物ですが、使用する土の性質や焼成時に発生する炭などによって模様ができます。

九谷焼(くたにやき)

九谷焼は、石川県の南部(金沢市・小松市・加賀市・能美市)で作られる焼き物です。

その最大の特徴といえば、九谷五彩という絵具を使い絵を施しているところ。久谷五彩には赤・黄・緑・紺青・紫がありますが、「呉須(ごす)」と呼ばれる青い絵具で線画を描いた後にこの五彩を使って色付けしていきます。

能美市にはこの九谷焼を扱った「能美市九谷焼美術館」があるので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。

瀬戸焼(せとやき)

瀬戸焼は、愛知県瀬戸市で作られている焼き物です。越前焼・常滑焼・信楽焼・丹波焼・備前焼と共に「日本六古窯」と呼ばれています。

瀬戸焼の最大の特徴と言えば、釉薬を使っていること素地が白いということ。平安時代から作られていた瀬戸焼ですが、鎌倉時代に入ると釉薬を使い始めるようになりました。その当時存在していた他の焼き物はまだ釉薬を使用していなかったため、その独自性が特に目立ったと言えます。素地が白く釉薬が塗られていたおかげで、美しい模様をその上に描くことができたのでしょう。

波佐見焼(はさみやき)

波佐見焼は、長崎県東彼杵郡波佐見町で作られている焼き物です。

その特徴といえば、白素地に釉薬を塗って作り上げる白磁呉須で描かれた繊細な模様。1590年頃から作られ始め、日常使いするものとして人々に愛されてきました。

有田焼(ありたやき)

有田焼は、佐賀県有田町で作られている焼き物です。

その特徴は、ヨーロッパの貴族に「白い金」と称されるほどの白く美しい色味と、軽いのに丈夫であるという点。現在は日本のみならず海外でも愛用されています。

益子焼(ましこやき)

益子焼は、栃木県芳賀郡益子町で作られている焼き物です。

成形した際にそのまま形を保ってくれる可塑性のある陶土を使用していますが、細かい細工をするには不向きであるため、土の質感が残っていて肉厚な仕上がりになります。しかしそこに温かみを感じられるというのが、益子焼の一番の特徴でしょう。

萩焼(はぎやき)

萩焼は、山口県萩市で作られている焼き物です。

萩焼の一番の特徴と言えば、低温でじっくりと焼成されるからこそ出るその柔らかな風合いと、模様のように入ったひび割れです。焼き締まりが少ないため吸水性に富んでいて、お茶などの成分を吸い上げ使うごとに深みのある色味になっていきます。

萬古焼(ばんこやき)

萬古焼は、三重県の四日市市や菰野町などで作られている焼き物で、土鍋・急須などがその代表格と言えます。

耐水性・耐熱性に大変優れていて、直火・空焚きにも耐えられる強度があると言われています。また。釉薬を使用しないため、素材の活きた味わい深い見た目も特徴的です。シンプルなデザインのものが多いので、長く愛用することができるでしょう。

丹波焼(たんばやき)

丹波焼は「丹波立杭焼」とも言って、兵庫県丹波篠山市で作られている焼き物です。

丹波焼は長時間に渡り高温で焼き上げますが、その際に出る灰が焼き物の原料に含まれる鉄分と混じることで特有の模様を生み出します。灰がどのようにかかるかで模様も変化してくるため、一つとして同じものが存在しないというのが魅力と言えるでしょう。

小石原焼(こいしわらやき)

小石原焼は、福岡県朝倉郡東峰村の小石原地区で作られている焼き物です。

製作する際にろくろを使い、回しながら模様がつけられるのがその特徴。模様をつける技法にも「刷毛目」「飛び鉋」「流し掛け」など様々なものがあり、これにより独特の風合いを出すことができます。

やちむん

やちむんは、沖縄県で作られている焼き物です。実は沖縄県で作られた陶器のほとんどが「やちむん」と呼ばれています。

見た目が荒いのがその特徴で、鮮やかな色味で模様が描かれることがほとんど。ナチュラルな風合いは温かみがありとても可愛らしいので、お土産としても人気です。

唐津焼(からつやき)

唐津焼は佐賀県唐津市などで作られている焼き物で、国指定伝統的工芸品としても知られています。

土を感じさせる荒い風合いが特徴的。茶の湯の世界では「一楽 二萩 三唐津」という言葉もあるほど、唐津焼の抹茶椀は格が高いと言われています。

砥部焼(とべやき)

砥部焼は愛媛県砥部町などで作られている焼き物で、愛媛県指定無形文化財にもなっています。

1777年に伊予国大須藩の第9代藩主 加藤泰候が財政を立て直すことを目的として作り始めたのがその始まり。白く美しい白磁と呉須を用いて描かれる模様が特徴的です。

清水焼(きよみずやき)

清水焼は京都府で作られている焼き物です。

清水寺の近くの清水坂の辺りで作られていた焼き物のことを清水焼と呼んだのがその始まり。制作する上で決められた手法がないというのが最大の特徴で、華やかなものからシンプルなものまで様々なタイプのものが存在します。

大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)

大堀相馬焼は、福島県浪江町大堀地区で作られている焼き物です。

「青ひび」と言って、焼き物全体にひびが入り一つの模様となっているのがその特徴。このひびが入る際には「貫入音(かんにゅうおん)」と呼ばれる音がします。

信楽焼(しがらきやき)

信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町で作られている焼き物です。

信楽焼といえばたぬきの置物を思い浮かべる人も多いですが、皿やマグカップも制作されています。荒い土を使用しているため素朴な風合いで、耐火性に優れているのが特徴焼成する際に仄かに赤みがかるというのも覚えておきましょう。

日本三大陶磁器とは

美濃焼・瀬戸焼・有田焼は、日本三大陶磁器と呼ばれ有名です。この三つの陶器は世界にも誇れるものと言われており、海外の人へのお土産にされることも多いです。

これらの陶磁器を扱う「有田陶器市」「土岐美濃焼まつり」「せともの祭」日本三大陶器祭りとして毎年賑わいを見せています。

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