アメンボはなぜ水の上に浮いて動けるのか?
アメンボとは
アメンボはアメンボ科の生き物で、ミズグモやアシタカという別称を持っています。
その特徴について詳しく見ていきましょう。
特徴1.軽い
アメンボは全長およそ1.5cm~3cmと小さな昆虫で、その体重はおよそ40mg。
とても軽いことも水に浮くことができる理由の一つだと言えます。
特徴2.四本足ではなく六本足
アメンボの足は四本というイメージを持つ人も多いですが、実は六本足です。
獲物を捕獲するための前足は短く目立ちませんが、豆知識として知っておきましょう。
特徴3.空を飛ぶことができる
実はアメンボには羽が4枚あるため、空を飛ぶことができます。
10m以上飛ぶ能力があるようですが、あまりにも高く飛びすぎると天敵に狙われる可能性が高くなります。
特徴4.飴に似た匂いがする
「アメンボ」という名前は「飴」に由来しますが、これは飴の匂いがするという理由からです。
飴の匂いの正体はアメンボが獲物を捕らえる時に放つ分泌液ですが、人間の嗅覚ではその真偽を確かめるのは難しいようです。
特徴5.肉食
水草などを食べているイメージのあるアメンボですが、実は肉食で水辺に落ちた昆虫を捕食します。
蝶々やトンボ、カエルの他にも魚を食べることもあり、捕食する際には針状の口を獲物の体に刺し中を溶かしながら吸い上げます。
特徴6.実は絶滅危惧種
アメンボと一口に言っても、ヒメイトアメンボ・シマアメンボ・オオアメンボなど様々な種類が生息しています。
しかし、その中でもエサキアメンボは絶滅危惧種に指定されていて、現在は愛媛県の東部・南部でのみ生息が確認されているようです。
アメンボはどこから来る?普段はどこにいる?
アメンボは普段池や川の中流~下流など水があまり流れていない場所に生息していますが、雨上がりなどには水たまりで目撃することも珍しくありません。
これはアメンボが飛んでその場所まで移動してきたからです。
アメンボは普段いる場所に水や餌がなくなると次の場所を探し求めます。
アメンボが浮いている理由と移動方法
肉眼ではわかりませんが実はアメンボの足には細かい毛がたくさん生えていて、体から分泌した油でその毛をコーティングし水をはじいています。
そのため水に浮くことができていますが、その足先を更に注意深く見てみると爪のようなものが確認できます。
水には表面張力が働いていますが、その爪と表面張力を利用して水面に浮いたり、爪を水面に食い込ませて蹴るような動作をすることで移動しています。
アメンボの成長過程は?
アメンボの卵は、水草などに産み付けられます。
卵の大きさはおよそ1mmと非常に小さく、約数十個の卵を数回に分けて産卵します。
卵から孵ると幼虫はすぐに水面を泳ぎ始めますが、成虫になるまでにかかる日数はおよそ40日。
その間に約5回脱皮を繰り返し、少しずつ少しずつ大きくなっていくと言われています。
大人になるにつれて徐々に色も濃くなっていくようなので、飼育する場合は色づきにも注目してみてください。
アメンボの寿命は?
アメンボの寿命は平均すると1ヶ月~6ヶ月ほどです。
アメンボは孵化してから約2週間後には交尾ができるようになりますが、産卵をした後にその生涯を終えます。
もちろん個体差はありますが、きちんと飼育できないのであれば無暗に捕まえず自然の環境で過ごさせるようにしましょう。
アメンボの天敵は?
アメンボは水面に優雅に浮かんでいる昆虫というイメージがあり天敵とは無縁のようにも思えますが、実は以下の生き物に狙われることが多いです。
アメンボタマゴクロバチ(寄生蜂)
ミズカマキリ
マツモムシ
蟻
鳥類
魚類 など
あらゆる生物から常に狙われる立場なので、アメンボにとって寿命を全うするというのはとても大変なことであると言えます。