もぐりの意味とは?
もぐりの意味
もぐりには主に2つの意味があります。
一つは許可をもらっていないのにこっそり何かをすること、もう一つは「その道の技術や知識があまりないのに、技術や知識がある人の中に入って仲間のふりをしている人」「集団の中に勝手に入って仲間のふりをしている人」という意味です。
もぐりの由来と語源
もぐりの語源は「潜り」です。
元々は水の中に「潜る」ことを意味する言葉として使われていて、水の中に潜ってしまうと姿を隠すことができることから「潜る=隠れる」となり、集団の中に勝手に入り込んで隠れるように仲間のふりをしている」という意味になっていきました。
ちなみに「潜り」の「潜」という漢字には「ひそんでいる」「隠れている」という意味があります。
もぐりの類義語
次に、もぐりの類義語をご紹介していきます。
類義語①無許可
無許可とは、何かを行う時に本来必要な許可をもらっていないことを意味する言葉です。
無許可で物を販売したり、無許可で狩猟などを行なってしまうと時に犯罪行為となる可能性がありますので、十分な注意が必要です。
類義語②みせかけ
みせかけとは、外見やうわべだけで「本物の姿」ではないことを意味する言葉です。
「本当ではないのに本当のふりをしている」という点で、「もぐり」と類義語だと捉えることができます。
もぐりの英語表記
もぐりの英語表記に当てはまるものはいくつかあります。その例を見ていきましょう。
英語表記①unlicensed
unlicensedには「無免許の」「販売許可がない」という意味があります。
「許可がないのにこっそり何かをすること」という点で「もぐり」の英語表記と言えます。
ちなみに「許可がないのに商売をする」ことを「trade without a license」と言います。
英語表記②sham
shamには「見せかけの」「ごまかしの」という意味があります。
「本当は仲間ではないのに仲間のふりをしている」、つまり見せかけの仲間という点で「もぐり」の英語表記と考えることができます。
もぐりとにわかの違いは?
もぐりと勘違いしやすい言葉に、「にわか」というものがあります。
しかし「もぐり」と「にわか」には明確な違いがあります。
「もぐり」が「仲間ではないのにその集団の中に入って仲間のふりをしている人」という意味であるのに対して、「にわか」は「その場だけの」「その時だけの」という意味があります。
例えばスポーツや芸能人、アニメなどのファンに置き換えて考えてみると、「もぐり」は「その分野の知識がないのにファンのふりをしている人」、つまり周りにファンであるとは認められていない人です。
一方「にわか」は流行に乗ってその時だけファンになった人です。
この場合「にわか」はその時だけでもファンになっていて、ファンのふりをしているわけではないため、一応周りから見てもファンであると認めてよい存在となります。
大学の講義におけるもぐり
大学の講義でも、「もぐり」という言葉を使用することがあります。
大学の講義における「もぐり」とは、本来ならば無関係なはずの選択していない授業にこっそり紛れ込むことを意味します。
学部の違う友達と一緒にいたいから、都合の合う時だけ参加したいから、学部外の授業も履修したいからなどもぐる理由はさまざまです。
最近のコロナ禍ではオンライン授業が進み、授業の「もぐり」という言葉はあまり耳にしなくなりました。しかし人気の先生の講義などはオンラインでももぐりが存在するようです。
もぐりの使用例
最後にもぐりの使用例をご紹介していきます。
使用例①「この合言葉を知らないなんて、あいつはもぐりじゃないか?」
合言葉を知らなかったため、あいつはもぐりなのではないかと疑う時の使用例です。
グループ内に事前に決めた合言葉などがある場合、もぐりは発覚しやすくなります。
映画や小説などでは組織内の情報を聞き出すため、スパイのようにわざともぐりを送り込むというシーンもよく見かけます。
使用例②「手術を失敗したあの医者、もぐりらしい」
この場合は「許可を得ずに商売をしている人」という意味合いでの使用例です。
医師免許をもたないのに開業をしていた人のニュースを、テレビやインターネットなどで見かけることがあります。
自分もそんな人に命を預けているかもしれないと思うと、恐怖を感じます。
使用例③「1年間も同じ教室にいたのに、あいつがもぐりだと気づかなかった」
大学の講義などで1年間同じ授業を履修していた相手が実は「もぐり」だったと発覚した時の使用例です。
大学の講義は出席確認や点呼などがないものもありますので、履修外の人が紛れ込んでいたとしても気付きにくいものなのです。