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「マンスプレイニング」とは?意味・由来・類語・実例・問題視される理由など

(公開日: 2022年3月9日)

皆さんは「マンスプレイニング」という言葉を聞いたことはありますか?

聞いたことがある、もしくは実際に被害に逢ったことがあるという方も多いかもしれません。

今回はこの「マンスプレイニング」の意味や使い方、実例などについてご紹介していくので、これまで知らなかったという方もこれをきっかけにこの問題について考えてみてくださいね。

マンスプレイニングの意味と由来

「マンスプレイニング」とは、男性が女性に対して聞いてもいないことを勝手に説明したり、高圧的な態度を取ることを言います。

女性の見た目・態度・年齢などから、その女性が自分より知識がないと判断する男尊女卑的な思考に基づいた行為であるため、そのような事例がSNSなどに投稿されるたび話題になっていますよね。

元々この「マンスプレイニング」という言葉は英単語 “man (男性) ” と “explain (説明する) ” の動名詞 “explaining” から形成された造語です。

いつ誕生した言葉かは明確ではないようですが、アメリカの著作家レベッカ・ソルニット氏のエッセイ “Men who explain things” (2008年) が発表された約1ヶ月後にはSNS「ライブジャーナル」で「マンスプレイニング」が使用されていたことから、レベッカ・ソルニット氏のエッセイがきっかけとなりこの言葉が生まれた可能性が高いと言えます。

マンスプレイニングの類語

「マンスプレイニング」の類語を挙げるとすれば、「傲岸不遜」が考えられます。

「傲岸不遜」は「ごうがんふそん」と読み、「自分を偉い人間であると評価し、周囲の人に対して驕り高ぶった見下した態度をとること」を意味し、分かりやすい言葉だと「上から目線」とも言い換えることができます。

「傲岸不遜」も「傲岸」「不遜」の二つの言葉から構成されており、「傲岸」は「威張ってへりくだる気持ちがないこと」を、「不遜」は「思いあがった態度」をそれぞれ意味します。

似通った言葉を組み合わせて成り立っている点からも、あまり良い意味の言葉ではないことが分かりますね。

「勝手に説明する」といったニュアンスは含まれていませんが、「マンスプレイニング」を日本語で説明する際には適切な言葉の一つであると言えます。

マンスプレイニングの使い方

「マンスプレイニング」という言葉の意味やどのような行為であるのかということについては分かりましたが、実際の会話や文章の中ではどのように使われるのでしょうか。

2つの例文から、その使い方について詳しく見ていきます。

【使い方1】彼のマンスプレイニングにはうんざりしている

この例文では、第三者との会話の中で「マンスプレイニング」という言葉が使われており、特定の人物からマンスプレイニングの被害を日常的に受けていることが示唆されています。

「マンスプレイニング」という言葉が持つ意味からも、会話や文中で良い意味として使われることはほとんどないと言えます。

このように自分の日頃の行為が誰かの迷惑にならないよう、人に対する言動には細心の注意を払いたいものですね。

【使い方2】行き過ぎたマンスプレイニングはパワーハラスメントと見なされる

こちらでは、マンスプレイニングという行為により自分で自分の首を絞めてしまうことを示唆した例文の中で使われています。

このような例文で取り上げられるほど、マンスプレイニングという行為は女性にとって非常に迷惑なものです。

パワーハラスメントと見なされれば自分自身も平穏無事ではいられなくなるため、自身のためにも人には敬意を持って接するようにしましょう。

マンスプレイニングの実例

近年では街中などでマンスプレイニングの被害に逢ったという報告もSNS上で数多くされていますよね。

テレビで取り上げられ話題になっていた事例を覚えている方も多いのではないでしょうか。

ここでは実際にあったマンスプレイニングの実例をご紹介していきます。

【実例1】ポテサラ論争

これは2020年夏にTwitterに投稿された話です。

子連れの女性がスーパーのお総菜コーナーを見ていたところ、高齢の男性がその女性に対して「母親ならばポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言い逃げしていった場面を見かけたという話で、記憶に新しい方も多いと思います。

この投稿に対して男性が言う通り「母親ならポテトサラダを一から作るべきだ」という声や、「簡単そうに見えるポテトサラダも手間がかかり、小さな子供がいるのであれば尚更大変だ」など様々な声が寄せられました。

ついには「ポテサラ論争」とまで名づけられ、連日テレビで取り上げられるほど話題になりましたよね。

小さな子連れの女性に対して高齢男性が説教をするという事例は数多いですが、これはその事例の代表とも言えるでしょう。

【実例2】テレビ番組

2020年、とあるテレビ番組で有名男性タレントの講釈を女性アナウンサーが聞き役になっている回がありました。本来であればその女性のほうが詳しいテーマであったにもかかわらずです。

この番組が放送されたあとに、Twitterでこれはマンスプレイニングではないか?と話題になりました。

この声に対しても様々な意見が寄せられましたが、このように男性が解説し女性が話を聞くという構図はエンタメ業界をはじめ日常生活でも未だによく見られますね。

【実例3】作家に対して文学を教える

こちらも2020年に起きた出来事ですが、「ヘヴン」などの作品でも有名な作家の川上未映子さんがイベント終了後女性二人で小説などについて話していたところ、見知らぬ中年男性が割って入ってきて文学について解説してきたという話です。

これは川上さんがTwitterに「こんなことがあった」と投稿したことにより話題を呼びましたが、話を勝手に盗み聞きしていた上に割って入ってこられると、誰であっても驚いてしまいますよね。

マンスプレイニングが問題視される理由

マンスプレイニングがこれほどまでに注目を集め問題視されているのは、やはりマンスプレイニングが無意識であったとしても性差別的な考えに基づいた言動であるからではないでしょうか。

マンスプレイニングの被害に遭ったエピソードに対して、女性であるというだけで差別的な扱いを受けてきた経験を持つ女性からの共感の声は大きく、この問題の根深さに気づかされます。

マンスプレイニングを解決するには、我々一人一人の意識を変える必要があります。

「自尊心を満たしたいから」「自分が気持ち良いから」という理由で一方的に相手に高圧的な態度を取ったり、必要とされていないのに無理やり話を展開したりしていないでしょうか。

性別に関わらず誰もが加害者・被害者になりやすい問題であるからこそ、今一度自分の常日頃の態度を見直してみましょう。

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