開いた口が塞がらないの意味とは?
「開いた口が塞がらない」の意味
「開いた口が塞がらない」は、相手の信じられないような態度や様子を目の当たりにして、呆れて何を言ったらいいのか分からない状態になることを意味する慣用句で、相手の言動に心底驚いた際の表情に由来しています。
最近ではマイナスの意味合いで使われることがほとんどですが、以前は「信じられないほど心を奪われた」といった意味合いで使用されていたこともあるようです。
慣用句のイメージがつかない人は、こちらの例を参考に。
「開いた口が塞がらない」の読み方
「開いた口が塞がらない」は、「あいたくちがふさがらない」と読みます。
「開いた口が塞がらない」の歴史
1748年(江戸時代)に初演された『仮名手本忠臣蔵』という浄瑠璃では、「師直はあいた口ふさがれもせずうっとりと」というセリフがありました。
これは「心奪われてボーッとしている」「うっとりしている」といった良い意味で使われています。
辞書によっては「開いた口が塞がらない」の意味として「言葉が出ないほどうっとりしている様子」と記載しているものもありますが、2021年に「感動した」という意味でアナウンサーが「開いた口が塞がらない」を使用した際に「不適切な表現だった」と後に訂正したことがありました。
このことからも分かるように、現在では良い意味で使用されることはほとんどありません。
たとえ褒めたつもりであっても相手の気分を害してしまう場合があるので、使い方に注意した方がよいでしょう。
「開いた口が塞がらない」の使い方と用例・例文
「開いた口が塞がらない」の具体的な使い方を例文で確認してみましょう。
想像を絶するようなニュースが報道されて、開いた口が塞がらなかった。
昔はとても仲が悪かった二人が結婚したと知って、開いた口が塞がらなかった。
何度も何度も同じミスを繰り返す彼に、開いた口が塞がらない。
テストの結果が予想に反して悪くて、開いた口が塞がらない。
あんなに確認したのに肝心の書類を忘れてくるなんて、開いた口が塞がらない。
「開いた口が塞がらない」に類似した言葉
「開いた口が塞がらない」と似た意味を持つ言葉には、「二の句が継げない(にのくがつげない)」、「呆れが礼に来る(あきれがれいにくる)」、「何をか言わんや」、「呆然(ぼうぜん)」、「唖然(あぜん)」などがあります。
どれも「驚いたり呆れたりして言葉が出ない様子」「びっくりして呆気に取られている様子」を表す言葉です。