愛想を尽かすの意味とは?
「愛想を尽かす」の意味
「愛想を尽かす(あいそをつかす)」は、相手の言動にあきれ果ててしまい相手のことがすっかり嫌になる、相手への好意や愛情・愛着心がなくなるという意味で使用される慣用句です。
「愛想が尽きる(あいそがつきる)」と表現する場合もあります。
慣用句のイメージがつかない人は、こちらの例を参考に。
「愛想を尽かす」の読み方
「愛想を尽かす」は、「あいそをつかす」と読みます。
「愛想」の読み方は、一般的には「あいそ」と読むのですが、「あいそう」でも間違いではありません。
ただし、「愛想を尽かす」という慣用句になると、「あいそう」ではなく「あいそ」と読みます。
「愛想を尽かす」の使い方と用例・例文
「愛想を尽かす」の具体的な使い方を例文で確認してみましょう。
自分のやるべきことは全くせず、要求ばかりしてくる彼に愛想を尽かした。
彼は毎日、遅刻ばかりして全く反省をしていないので、先生から愛想を尽かされても仕方がないと思う。
私はみんなから軽蔑されて、愛想を尽かされることをずっと恐れています。
彼女は彼に愛想を尽かすと、さっさとこの町を後にした。
いつも約束を破ってばかりのあなたに、私は愛想を尽かした。
「愛想を尽かす」の由来や成り立ち
「愛想を尽かす」の「愛想(あいそ・あいそう)」は、人と接するとき「にこやかであしらいが上手なこと」、「いい印象を与えること」、「好意ある思いやり」といった意味があります。
「愛想を尽かす」に類似した言葉
「愛想を尽かす」と似た意味の言葉には、「見切る(みきる)」、「見限る(みかぎる)」、「見捨てる(みすてる)」、「見放す(みはなす)」、「愛想が尽きる(あいそがつきる)」、「匙を投げる(さじをなげる)」、「見切りをつける(みきりをつける)」などがあります。
どれも「あきれてしまって、相手への好意や親愛の情をなくす」という意味で使われる言葉です。
「愛想」に関連する言葉
愛想も小想(こそ)も尽き果てる
これは、「愛想を尽かす」の意味を更に強めた表現です。
ここで使われている「小想(こそ)」に特に意味はなく、語呂を合わせただけのものです。
お愛想
よく飲食店などで「お勘定」という意味で「お愛想(おあいそ)」という言葉が使われます。
これは本来、お店の人がお客に対して「お愛想(満足のいくもてなし)がなくて申し訳ありません」と、お勘定をするときに言っていたことに由来しています。
従って、もし「お愛想をして」とお客が言った場合、「ここの店には愛想が尽きた(すっかり嫌になった)。店から出ていきたいので、清算してほしい」という意味になってしまうので、本来であれば、お店に対してとても失礼な言葉なのです。
しかし、「お愛想=お勘定」という意味しか知らないお客が増えてしまったため、失礼だという認識が次第に薄れてきたといわれています。
また、明治時代『風俗画報』という雑誌の95号で、「お愛想=お勘定」の意味で使用するのが京都の流行として紹介されたことがきっかけとなり、全国的に「お愛想」が「お勘定」の意味で使用されるようになったと考えられています。