苗字と名字の違いと使い分け
(公開日: 2022年12月13日)
苗字と名字の由来と違い
「みょうじ」とは家系の名のことですが、「苗字」「名字」と二つの表記が存在しています。
それぞれの違いについて見ていきましょう。
苗字とは
「苗字」という表記が誕生したのは江戸時代です。
「苗字」よりも先に登場していたのは「名字」でしたが、植物の苗という意味を持つこの漢字が一族の繁栄を表すとして「苗字」が用いられるようになりました。
また、中国古典に登場する子孫や末裔を意味する「苗裔」という言葉が元になっているとも言われています。
名字とは
「名字」という表記が使われ始めたのは平安時代頃からです。
当時、武士がそれぞれ所有していた「名田」と呼ばれる土地の所有権を主張するために、土地の地名を各々名乗り始めました。
この「名田」と、元々持つ名とは違う名を意味する「字(あざな)」という言葉と組み合わさり、「名字」という表記が生まれたと言われています。
苗字と名字の違い
「苗字」「名字」それぞれのルーツを調べると、以下のような違いがあることが分かりました。
苗字:江戸時代に誕生。一族としての意味合いが強い。
名字:平安時代に誕生。土地の所有の意味合いが強い。
苗字と名字ではどちらが正しい?使い分ける必要は?
「苗字」「名字」のどちらかが間違いであるということはありませんが、公的文書などでは「名字」を使うのが一般的とされています。
「苗字」でも間違いではありませんが、「名字」が常用漢字とされているという観点から公の場では「名字」を用いた方が良いでしょう。